2016.12.16

知らないこと、子育て、贅沢な悩み

今日もアクセスしてくださり、誠にありがとうございます。


今から21年前の1995年、特別支援学校教員免許取得のため、特別支援学校の中学部に1ヶ月教育実習生として入っていたことがある。
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当時はまだ“特別支援学校→養護学校”という呼び方をされていた。

 

そこにS君と言う色素性乾皮症(XP)の生徒がいた。

 

自分の知らないことを知ったことは衝撃だった。そして、自分がちっぽけなことで日々、悩んでいたことを反省した・・・

 

 

XP

この障害は常染色体劣性遺伝性の光線過敏皮膚疾患である。英語名のxeroderma pigmentosum頭文字をとってXP省略して呼ばれることもある。約2万人に1人の確率で生まれてくる。

 

一般に紫外線 (UV) には、細胞内の遺伝子であるDNAを損傷する作用がある。DNAに損傷を受けると、その細胞はがん細胞となる可能性が高まる。

真夏の直射日光など紫外線を大量に含む光線に晒された場合、DNAが損傷を受けるだけでなく、細胞そのものが障害を受け、細胞死に至り、水疱等の火傷のような症状を示すことがあり、これを日焼けという。

 

通常、紫外線の照射によりDNAが損傷を受けても、すべての細胞が死んだり、がん細胞となったりする訳ではなく、大部分の細胞はDNAの損傷部位を修復する機能があって損傷を受けたDNAを正常な状態へと修復することができる。

 

しかし、XP患者では、このDNA損傷部位を修復する機能が遺伝的に低下しているため、DNAレベルの損傷が固定化され、異常細胞、すなわち、がん細胞の増殖に繋がり、皮膚がんが発生すると考えられている。

 

XP患者が紫外線にあたると、皮膚の露出部に異常に強い紅斑や水疱が発生し、火傷のようになってしまう。さらに紫外線によって損傷を受けたDNAが修復されないため皮膚がんになる。

 

3歳までに、XP患者の約75%に色素斑などの皮膚症状が出現する。これらの皮膚疾患に加え、進行性の中枢神経障害や末梢神経障害が発症し若年のうちに死亡する可能性が高く、重症例では約3分の2が20歳までに死亡する。

(参照 ja.wikipedia.org/wiki/

 

それまでも多くの障害児と関わってきたが、余命が決まっている進行性の障害を持つ子どもの親御さんの心情は想像を絶するものがある。

 

 

保育園

つい最近、仕事をしていた保育園にこの病気の子どもがいた。まだ3歳。初めて会った時は「なんで顔に泥がついているんだろう?」と思った。けれども、よく見るとそれは大きな数個のシミだった。

 

重い十字架を背負ってこの世に誕生した子ども。大変な人生を歩んでいる。

8月、どんなに暑くても、命を守るため長袖を着て、顔にはファンデーションを塗ってお散歩に行く・・・

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S君

さて私が出会った頃のS君は既に15歳(中学3年生)。皮膚にはこれから癌化するであろう黒い大きなホクロ状のものが無数にあった。

 

S君のいた教室には窓に紫外線カットフィルムが貼られ、カーテンが閉められていた。

私は下校時にS君の僅かに外にさらされている顔面や手に強い日焼け止めクリーム付け、その上にファンデーションを塗りながら・・・

 

「余命が短いのならば、学校なんか来ないで家で楽しく過ごしたらいいのに」

「でも、お母さんはこの子と過ごしている時間も苦しいのかもしれない」

「S君にとって学校は、生き生きと楽しく過ごせる場所なのかもしれない」

など色々と考えてしまった。

 

S君の病状は一人で階段の上り下りをすることも出来ないくらい進行していた。

指導教官の先生に質問したら、中学入学の頃は階段の上り下りは出来ていたそうだ。

学校にはダウン症、重度の自閉症児などたくさんの障害児がいたが、「進行していく障害を持つ子の親が一番苦しいだろうな」と思った。

 

 

知らないということ

その世界に入って初めて知ることがたくさんある。

 

ある一定の世界の中で生活していると、その中で自分の置かれた環境の範囲で周りの子と比べてわが子の能力を憂いたりする。

 

「お友だちの輪に上手に入れない」

「文字の読み書きに興味を示さない」

「私の言うことを聞いてくれない」

「ぐずぐずご飯を食べる」

「おもらしを4歳でもする」

「食べ物の好き嫌いが激しい」

「小学校受験に落ちた」

「嫌々期で親に反抗する」

 

でも「何と贅沢な悩みだ」と思ってしまう。

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(C)あべゆみこ

 

まとめ

こんな言い方はとっても不謹慎かもしれないが・・・・

 

「上を見たら切りがない、下を見ても切りがない」んだ。自分の子どもよりも優秀な子どもを見て嘆かないで、今の子どものあるがままを受け入れて欲しい。

 

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(C)今泉久恵


S君のお母さんは子どもの運命を受け入れていた。そして、充実した日々をS君は生きていた。

そしてS君はお母さんの愛情に包まれてその後、亡くなり天使になった。

 

また、来週お待ちしております。

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カテゴリー:正直なつぶやき

コメント(6)

  1. ぷーママ より:

    私も18年息子と共に色々あったし、定型の道ではない学びもあり、でもやっと息子のあるがままを受け入れながらもまた問題にぶつかり乗り越える繰り返し。でも、体は健康でいられる事には感謝しないと行くないなぁ〜と気づく。あるがままを受け入れ、前を向い歩こうっと。先生のブログにも感謝〜気づいたり共感したり励まされ、まだ色々理解されない現実で生きていかなきゃですね。

    • 立石美津子 より:

      私も55歳になって一番大事なのは健康であることだとシミジミ思います・・・・
      世の中には大変な病を背負って生きている子がいます。。。

  2. よしママ より:

    特別支援教育の現場で勤めながら、家では、発達障害のこどもを育てているものです。
    記事を読ませていただきながら、いろいろな気付きを頂けたことに感謝いたします。
    一生懸命努めているつもりで、視野が狭くなったり、経験からかえって取り組み方に固執してしまいがちになることを自身に諌めていこうと思います。

    • 立石美津子 より:

      よしママさま

       コメントをありがとうございました!息子のことを書いてみたり、ルンバ掃除機のことを書いてみたり、あちこちと話が跳ぶブログですが
       毎週金曜日更新しておりますのでたまに遊びにいらしてくださいね~!

  3. ゆか より:

    他人と比べてはいけないと思いながらも無意識に比べては
    落胆の日々を送っています
    家族が幸せならいいと考えるようにしているのですが
    未熟な私はなかなか吹っ切る事が出来ません
    今回のブログはズバリ私のダメな所を指摘されたようでした
    いつになれば他人と比べる癖はなくなるのか
    一生この嫌な性格のままなのか
    自分の性格が嫌すぎて泣けてきます
    私も先生のようになりたい

    • 立石美津子 より:

      ゆかさん
       「自分の性格が嫌過ぎで」というもの比べる病ですよね。
        私もいっつも人と自分を比べていて自分が嫌になってしまいます。「自分が大好き」な人ってそんなに
        いないと思うんです・・・・

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