2017.12.22

障害者は箱を折る?ごめんなさい…思ってしまうこと

今日もこんなブログにアクセスして下さり、誠にありがとうございます。

あと、一年ちょっとで卒業を迎える息子

就労移行支援事業所やB型作業所、特例子会社などを見学しまくっている。

 

こんなこと書くのは、福祉関係者、障害者雇用を熱心にしている方に対して本当に失礼なことで…

 

これから書くことは、大変勇気のいることで‥‥

 

こんなことを書くと就労施設の方から「なんだ!そんな風に我々のことを見ていたのか!」と不快に思われ、「息子が縁を切られてしまう~」と思ったり…

 

だから、書くことをためらう気持ちも起こるが…

 

でも、正直な親の気持ちを書いてみたいと思う。

 

■ずっと箱下り?封入作業?

「所詮、こんな単純作業しか障害者には与えられないんだ~」と感じてしまう。会議にも参加できず、人と交渉する営業も任されず、ただただ机の前で同じ作業の繰り返し…

確かにコミュニケーションが苦手で自閉症で知的障害があったら、パターン化された単純作業が向いているのかもしれないが…

 

それに、健常者だって、携帯の箱詰め、工場のベルトコンベヤーでの作業、ただひたすら同じことの繰り返しの仕事はたくさんある。この“縁の下の力持ち”の人達がいて、会社が成り立っている。

 

だから「障害者にはこんな仕事しか与えられない」と仕事の内容を見下したり、差別してはいけない。

 

しかし!

頭ではわかっていても、心が自動的にこう感じてしまうのだ。

 

■刑務作業

テレビをつけた。

女子刑務所の刑務作業で、割り箸の中央に紙を巻く作業をしていた服役中の人達

私語禁止の中、老婆がおぼつかない様子で紙を巻いていた。1時間に正しく巻けた割り箸はたったの20膳。生産性が悪い人として刑務官から注意を受ける。

 

それを見ていて、息子の姿を重ねてしまった。

 

刑務作業と就労訓練は全く異質なものなのだが、やっている内容は似ていて、テレビを見て、また自動的に心は悲しくなってしまった。

 

そうなのだ。理屈ではなく心が「自動的!自動的!」に感じてしまう。これが親と言うものだと思う。

 

息子が生まれた日のこと、病院で「障害がある」と言われた日のこと、療育に走った日々のこと、小学校入学で悩んだこと…走馬灯のように思い出す。

 

そして、「行きつく先はこれなんだ」と感じてしまい、胸が締め付けられた。

 

■本心はわからない

健常者の私は、9時~17時まで袋詰め作業をしている人達を見て「退屈でつまらないのではないか」と思ってしまう。

 

息子が企業実習で”ハガキにずっとハンコを押している姿”を10時~10時20分まで見た。

 

でも、息子は夕方までその作業をしていた。朝の見学を終えた午後、私は変化のある時間を過ごしているのに「息子はまだあの机でハンコを押しているんだ~」と思うと、切なく涙が出た。

(↓ 実習風景は撮影できなかったので、通勤練習の写真)

 

■それぞれの遣り甲斐・達成感

こういうことを書くと「そういう仕事がとても合っていて、遣り甲斐を感じている人もいるんだから、あなたの考えは間違っている」と批判コメントをされる。

 

Facebookに書いたらお叱りの言葉を受けた。

 

本人が達成感や遣り甲斐を感じていれば、親目線で「ああでもない~こうでもない~」と言ってはいけないのだ。

そんなことわかっている!でも、そう思ってしまうのが親心なのである。

 

そして、息子はと言うと…興味を持てない作業に長時間、座っていることは苦痛だったようだ。

 

■一定の枠組み・固定観念

私はどうしても社会が「障害者にはこれこれこういう仕事しか出来ない」という枠組みで動いているような気がしてならない。

 

誰でも出来るような仕事、人工知能に取られてしまうような仕事。でも、障害者には「これしかできない」と考えるお決まりのような箱折り

 

将来、今は想像が出来ないような障害者にしか出来ない仕事が出てくるといいな。でも、それはアスペルガー症候群のような才能のある人たちの話なんだろうな…きっと…

 

■甘んじている私

知り合いの佐藤さんにこう言われてしまった。

(↓ 佐藤さん)

「特別支援学校高等部に行かせ、職業訓練させていること自体、立石さんがこれに甘んじていることだ!理想的な就労移行支援事業所を自分で作ればいいんじゃないか!」

 

佐藤さんは、自分の自閉症の息子のために理想とする放課後ディを作り、高校を作り、就労移行支援事業所まで作ろうとしている。

佐藤さんは続けて語る。

 

「療育を頑張って、就労支援を受けられるようになって、就職した先はボールペン5本作って1円という世界。それでいいのだろうか?

1本20銭のボールペンを子どもが作るために何年間も苦労して療育をする必要があるのだろうか?」

(↓ 佐藤さんのページ)
news.kaigonohonne.com/article/459

 

でも、私は「就労は人生の一時のこと。それよりも親が死んでしまった後の時間が長いのだから、自分がいなくなったあとの息子の生活の場、グループホームを作ることに注力したいから、そこまでやる気力がない」と答えた。

 

文句言いつつ、何も行動できない私なのでありました。

最後に障害者雇用のために日々、力を注いでいる皆さん。ごめんなさい…

また来週金曜日、寄ってくださいね~

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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カテゴリー:正直なつぶやき

コメント(15)

  1. もっち より:

    同じことを感じていました。
    たしかに、同じことを正確に繰り返し出来る力と根性がハンパではない我が子です。まだ8歳ですけど。将来、就業した時に単純作業の繰り返しでは、せっかく療育などで脳を鍛えたのに退化するじゃないか!と危機感を感じ、私自身、取引先を訪れながら広い視野で就業先を探すクセをつけています。

  2. 立石美津子 より:

    まだお子さん8歳なのですね。きっとお子さんが10年後の18歳になるときには福祉や就労の形態が進化していると思います。

    単純作業だけではない就労の場もありますから~

  3. たけのこさん より:

    アスペルガーの子でも、お金を稼げるなにかを持っていない場合もありますし。
    社会につなぐのはむずかしいです。
    特別ななにかを受け入れてもらう場合、自分で発信し、理解者を得るか、できない場合は、発信力のある方にお願いして、それを販売するなどそれなりの手段はいりますね。
    たとえば、
    息子さんが、なにかを作って、立石さんのサイトや講演会のあと、販売してみたりしてはどうでしょう。
    誰か理解のある方の目にとまって、展覧会を開きましょう、なんてことになれば、道も開けるかもしれません。
    やっぱり、見てもらう、知ってもらうから、なにかは始まるかもしれないから。

  4. 立石美津子 より:

    たけのこさん

    確かにアスペルガーだから何か出来ても、それが仕事につながるかどうかはわかりませんし、健常児も含めてハードルは高いかもしれませんね~

  5. エイママ より:

    夢想話でごめんなさい。
    発達障害の方は、宇宙船のクルーに向いているね。だって、無音空間で僅かな定期的な機械音や、繰り返しに耐えられるから。普通の人間だと発狂してしまうからね。
    宇宙に定期的な航路を持つようになったら、必須の人たち。進化だね。

  6. 立石美津子 より:

    面白いです~そうかもしれませんね~

  7. 元作業所職員 より:

    箱折り、袋詰めなんかクソ喰らえと言って、追い出された元職員です。
    はっきり言って箱折りしてる作業所は怠慢です。
    もっと高い仕事を取ってきて、みんなで出来るように工夫するのが職員の腕の見せ所です。
    僕なら安い工賃で一日中同じことさせられてたら暴れます。

  8. 立石美津子 より:

    確かに、見学に行ったB型作業所でもスタッフの方が「営業していい仕事を取ってくる努力が職員には大切」と言っていました~

  9. ぷーママ より:

    就労プラス一人で生きて行く事。
    来年就労移行支援〜今から自宅近くの
    A型探しと見学してます。色々調べると
    単なる障がい者雇用率の為か信念持ってか
    別れますね。でも、佐藤さん素晴らしい方ですね。明るいし、バイタリティあるし、あのおしゃれなグループホームも羨ましいです。

  10. 立石美津子 より:

    佐藤さんはかなり面白くぶっ飛んだ方です~!
    A型は東京でもどんどん減っています。。。採算が合わないみたいです。

  11. ぷーママ より:

    A型事業そうなんですね-_-b この間新聞でみつけた素晴らしいプロジェクトです。B型ですが、『全国夢のチョコレートプロジェクト』ここの方も若いプロジェクトリーダー素敵です。ちょっとのぞいてみて下さい。

  12. 立石美津子 より:

    久遠チョコレートですよね。知ってます~そこに関わっている杉岡さん、知り合いです!!

  13. ぷーママ より:

    さすがお顔が広い立石先生〜(^。^)
    また、いつか詳しく紹介して下さい。

  14. はらひろ より:

    はじめまして。
    息子さんの作業している姿を想い、
    涙が出ます、とのコメントに心が震えました。

    親ってそういうものですよね。

    私は産婦人科で仕事をしています。
    お産が終わり、大仕事を終えたお母さんの顔は皆さん輝いています。
    そして、生まれてきたお子さんも全てのお子さんが輝いています。

    子供は全て生きる使命があります。それはどのような使命かは定かではありません。

    妊娠したとしてもこの世に生まれてくる事の出来ない命もあります。生まれてくる事か普通ではないのです。

    だから、きっと息子さんにも何かの使命があって命があるのかと私は思ってしまいます。

    生きることは大変です、苦労がほとんど幸せを感じることなんて少ないかもしれません。

    けれど、生きることって凄いことなんです。

    使命を持って命を授かった息子さんです。生意気な事を言ってごめんなさい。
    けれど、息子さんを想うお母さんの気持ちを想ったらどうしても、お産の後のあの時の気持ちを思い出してほしくてコメントしました。

  15. 立石美津子 より:

    はらひろ様

    出産直後のお母さんの顔は輝いている…本当にそうですよね。スッピンなのに皆美しく、我が子を見つめるその姿はマリア様のようです。

    たとえ健常児として生まれても、ぐれたり、精神疾患にかかってしまい親を悩ませたり…それが生きるということ、子育てするということですよね。

    心に沁みました…コメントをありがとうございます!

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