2013.02.19
計算を暗記させてしまう私は教師失格か?
知的障害のある自閉症の息子はまるで写真を撮るように頭に形を刻みつける能力がある。だから文字を書くことについては苦労をしていない。
どこかの学校の給食メニューをこうやって再現したり、乗ったこともない名古屋の地下鉄の路線図を書いたり、どこかのマンションで見た部屋番号と名前を再現したり、カラスの種類も何も見ないでこんな風に描ける。(写真)
しかし、計算がまったく駄目だ。100-30もわからない。この間、本屋でアンパンマンの本を欲しがった時、600円だったので、試しに1000円渡し「お釣りはいくらもらえばいいの?」と聞いたら自信たっぷりに「10円!」と答えが返ってきた。もうすぐ中学生・・・・改めて愕然とした。
理屈がわからないのだ。だから最終手段として下記のような問題を暗記させることにした。(写真)スーパーなどでお釣りで出てくるような場面の計算だ。
また、その延長線上で67円のものを買うのに財布に1000円札と1円玉7枚あったら1007円出すことも応用として学ばせたい。それから1000円と700円の買い物に行くのに概算として2000円財布に入れていけばいい、こんなことも学ばせたい。
親亡き後、一人で生きていけるために!それも暗記で!
私の生徒も私自身も12-3を計算する時、小学校の頃は理屈を教わり、それで計算していたが今は機械的に答えている。
「12を10と2に分けて、10から3を引いて7、7と2で9」なんていちいち頭の中でやってはいない。減加法・減減法なんて使っている意識もない。
だから理屈が理解できない息子にはこれを飛ばしていきなり暗記だ。不得意ならば得意の暗記で世の中にある計算問題を全て暗記させるのはどうだろう。
私の生徒で文章題が大の苦手な生徒がいる。どんなに練習しても駄目なのだ。そもそも文章を読みとる力がない。
その原因は幼い頃から絵本と言うものを全く読んでもらった経験がないこと、文字アレルギーがあること、だから小学生になっても本を読めないこと。また、読字障害(デスレクシア・・・学習障害児の1つの型)の可能性もある。
こんな子に苦手な文章題を与え続けるのは意義あることなのか?得意な計算をもっとやらせ計算問題博士に仕立てるのはどうだろう。
その方が人格形成上、いいような気がする。出来ないことをやらされて意欲的になる子はいないからだ。この私の考えは教師としてもおかしいか?
おわり
カテゴリー:正直なつぶやき
コメント(4)
最終的に実生活で使えれば、丸暗記大作戦でもOKだと僕は思います。
あき先生、ほんにそうですよね。自立のための子育てですからね!
息子たちが尊敬してやまない彼の写し取る能力、素晴らしいです。
何かに活用できないかしら…
計算、暗記するのは楽勝だと思います。あとは、買物の場面でどう応用するか…想像、妄想していると楽しいですね。
内田さん投稿今見ました。尊敬してやまないなんて、何だかくすぐったいです。有難うございます。卒業でお別れするのが悲しいです・・・