2013.04.23

息子への苛め

小学校時代の話である。

 

 

時々、知能の遅れのある自閉症の息子が「きもいって言われた(笑)」と嬉しそうに言うので「なんだろうな?」と思ってはいた。

 

 

数ヶ月経って、隣の学校の副校長から「お詫びをしたいので学校に来てほしい」と連絡があった。

 

 

どうも朝の登校中、別の小学校(この小学校は特別支援学級が併設されていない学校)の生徒から突かれたり罵倒されたりしている様子を見て通学路の家の人が見るに見かねて通報したらしい。

 

 

そして、私は隣の学校に出向いた。

 

 

「息子さんに嫌な思いをさせて申し訳ありませんでした」と副校長から謝られた。

 

 

お詫びされてもどうしようもないので、嫌みっぽく

 

「やはり、学校内に特別支援学級がないと異質な者を理解できないんでしょうねえ。特にダウン症とか肢体不自由の場合、見ただけで障害がわかりますが自閉症は顔つきは普通ですからねえ。

 

変に思うんですかねえ。

 

 

息子が通う小学校では毎日交流しているのでそういうことはなく普通級の子ども達の意識には“知恵遅れのクラスの子どもを助けてやらねば”という気持ちが自然に育っていますよ!」と言ってしまった。

 

 

 

副校長は「そうですね。今度、息子さんを連れて学校に遊びに来てください。お友達を作りましょう」と私に言った。

 

 

私は心の中で「自閉症は友達が欲しくないんだ。この先生、自閉症のこと何にもわかっていないな!」と思い、丁重に「こちらの普通学級の生徒さんには障害の子どもと交わることはよい体験となると思いますが、息子は自閉症です。

 

 

人と関わること自体がストレスになります。お友達を作りたい気持ちはないので折角ですが・・・伺いません。申し訳ありません」と断った。

 

 

何て嫌みな親なんだろうと思われたと思うがこれが息子の本心であることが長く育てていて骨身に滲みて私はわかっている。

 

 

よく「みんな仲良く」なんて保育目標を掲げている幼稚園があるけれども、みんなと仲良く出来ない子どももいるんだ!

 

 

さて、ここで親として救われたと思ったこと。それは息子が幸い知能が低いため苛められている意識がこれぽっちもなかったことだ。

 

 

 

「“きもい”いるかなあ?」なんて言っている。“きもい”の意味がわからず、子どもの名前だと勘違いしているようだ。

 

 

学校に呼び出されるまで気が付かなかった私も私だ。

 

 

しかし、確かに息子を連れて歩いている時、道で何度も「変なやつたが又来たぜ!」と指を差されたことが頻繁にあった。

 

 

 

その度に私はその子ども達を鬼のような形相で追いかけ

 

 

「今、なんて言った?そういうこと言っていいと思ってんの!自分がやられたらどう感じるのよ!え!今度やったら二度と許さないからね!わかった!私を誰だと思ってんの!ただのお母さんじゃあないのよ!先生なのよ!返事は!え、聞こえない!もっと大きな声で“はい”と言いな!ほれ!」とどついた。

 

 

 

完璧切れている私、感情むき出しの鬼婆と化していた。でも母親だったら目の前で大事な我が子に指を差して「きもい!変なやつ、頭狂ってる」言われたら、こうなるのは当たり前と思ってほしい。

 

 

又、怖い親の子と思われた方がターゲットにならない良い面も実際あるのだ。

 

 

でも、少しAD/HD(注意欠陥多動性障害)傾向があり、考える前に言葉・顔・行動に出してしまうの強い衝動性があるのが私の悪い面。だから、本まで出して偉そうなこと講演会で吠えているが、息子に対しても小さい頃、悪いことをして叱る時、泣かないと頭に来てしまい「何で私がこんなにエキサイトしているのに泣かないんだ!」と切れてしまい、織田信長のように「泣かぬなら泣かしてみせようホトトギス!」の精神で泣くまで叱ることが度々あった。

 

 

 

だから、息子を苛めた子ども達に頭にきて、これでもかと言うくらい叱ってやった。結果、相手の子ども達の表情は引きつっていた。涙を出すのも忘れて怖がっていた。

 

 

それから「ああ、これで知能指数80くらいあったら本人も苛められていることを感じるし、自分が人とコミュニケーションをとれないことに悩むんだろうなあ、知能低くて本当によかった」とつくづく思った。今、発達障害のアスペルガー症候群の人達の生きにくさがさかんにテレビなどで取り上げられている。自分が人とは少し違う、おかしいとわかって努力してもどうしようもない、ことほど辛いことはないのだ。山田洋次監督の「学校2」で少しだけ知恵遅れの生徒が重度の知恵遅れの子どもに対して「お前はいいよな、自分がバカだってことわからないから」と呟いていた場面を思い出した。実際、アスペルガーの人から「○○(息子の名前)はいいよな。自分がおかしいってわかっていないから。俺もまともな自閉症に生まれたかった。羨ましい。生まれ変わりたい」と会う度に言われる。中途半端なグレーゾーンの子どもが一番辛いと思う事件だった。

 

●写真は知能の遅れがある自閉症の息子とアスペルガー症候群の友達、

●息子を気にかけてくれる同じ小学校の普通学級の友達と息子

図1

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

image

 

jka0072s_l

カテゴリー:正直なつぶやき

  1. 大信田昌宏 より:

    実は私も中学校時代、
    同級生から暴力を受けたり、物を隠されたりと陰湿な「いじめ」に遭っていました!

    当時、先生も対応しようとはしませんでしたヨ!!

    私自身は負けん気が強かったので、学校には行きました。

    今回のブログを読み、私の経験上、
    その〝副校長〟の方ではご子息への対応は望み薄であるように感じマス!!

    ただ、ご子息には私のように周囲を敵扱いだけはしないでほしいと願っていマス!

    (>人<)

  2. admin より:

    大信様
     ありがとうございます~知的遅れがあるということは周囲を敵にもしませんし、自分のこともわかっていないので本当に本人は幸せな世界で生きていると思います。

  3. 匿名 より:

    >普通学級の生徒さんには障害の子どもと交わることはよい体験となる
    良い体験になる、と断言されてますが、
    そんな体験したくない人も多いですよ

    • 立石美津子 より:

      そういうこともあるんですね。コメントありがとうございます

トークショー依頼はこちら
立石美津子オフィシャルブログ ちょっと聞いてよ

好評発売中!

1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ

立石美津子著 『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』

amazon.co.jp
1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ

立石美津子著 『1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』

amazon.co.jp
立石流 子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方

立石美津子著 『立石流 子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』

amazon.co.jp
心と頭がすくすく育つ読み聞かせ

立石美津子著 『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』

amazon.co.jp
「はずれ先生」にあたったとき読む本

立石美津子著 『「はずれ先生」にあたったとき読む本』

amazon.co.jp
きれいにかける ひらがな

立石美津子監修 『おうちレッスン・きれいにかける ひらがな』

amazon.co.jp
きれいにかける カタカナ

立石美津子監修 『おうちレッスン・きれいにかける カタカナ』

amazon.co.jp
「発達障害に生まれて

松永 正訓著 『発達障害に生まれて』

amazon.co.jp