2013.06.14

たかが虫歯・たかがMRI

簡単に済むことが簡単に済まないのが幼児。でも息子は中学生になっても知的遅れのある自閉症なので頭は3歳。だから何でもそうスムーズには進まない。その一つの例

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この間から頭振りが激しいのでMRI検査をすることになった。MRIは狭い空間に頭を入れ20分程度かかる。「カンカンカンカン」と結構大きな音がする。画像がぶれてしまうので、1ミリたりとも頭を動かしてはならない。多動性があり聴覚過敏のある息子、いきなり当日を迎える訳にはいかなかったのでわざわざ1週間前に検査技師に頼み込んで予行練習に行った。そこで中に入って実際に音を聞かせてもらう。写真はその予行演習の様子。自閉症の子どもは視覚優位なので検査当日まで次のようなカードを作って毎日見せた。学校の先生にもお願いして学校でも見せてもらった。カードを見せて皆で「動いてはならぬ」と視覚と聴覚に訴える。

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さて、当日、多動な息子は熟睡してもらわないと検査不可能だろうと言われ、結局、睡眠導入剤を使って眠らせて撮影することになった。たかがMRIを撮るのに睡眠導入剤を使うということで入院をする。朝、9時半に病院に入る。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

しかし、小児科病棟に上がった途端、出された昼食のうどんを一気に平らげ「探検行く!」と言い残し放浪の旅へ出かけてしまった。小児科病棟のフロアは鍵がかかっているので病院の外に出る危険はない。この隙に足りない睡眠を確保しようと私が1時間程、昼寝をする。

 

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さて、探検から戻ってきた息子に第一の試練。睡眠導入剤は点滴で入れるので点滴を差す血管の管を手の甲に確保する。これが大変、1回目暴れる。午前中はこれで終わってしまう。

 

検査予定は3時。地下の検査室から検査1時間前に小児科病棟に電話がかかってきた時点からまず座薬の睡眠導入剤2個を肛門から入れる。お尻に薬を突っ込まれて2回目の大暴れ。それでも肛門からは座薬がぴょこっと顔を出している。看護士が奇声を発する息子におっかなびっくりで中々、座薬を中に入れられないので「私がやります。いつも解熱剤など入れて慣れているんで」と言い結局2個とも私が突っ込む。少し看護士、むっとした様子

 

挿入後も大パニックは治まらず自分の腕を噛みつく、廊下にスライデングする、小児科病棟の壁や窓にぶち当たるなど一連の自傷行為を普段の3倍くらいの勢力で行う。なかなかパニックがおさまらないので、気持ちを切り替えさせるため私は乗ったことのない車椅子に息子を乗せ、ぐるぐる遊具のように回し、地下の売店へ行く。お菓子を大量に食べさせる。

 

やっと泣き止み病棟に戻り、確保した腕の血管の管から睡眠導入剤を点滴で入れる。

 

ところが、検査時刻は刻々と迫っているのに寝ない。3時になっても寝ない。検査の順番を入れ替えてもらって4時まで待つ。寝ない。ああ検査室がもう閉まってしまう。焦る。やっと寝た。

 

しっかり寝たのを確認して検査室に連れて行くことになる。病室のベットから看護士3人がかりで目を覚まさないようにそっとストレッチャーに乗せる。ここで起きてしまったら検査が出来なくなる。積み込み完了!それからエレベーターで地下に行き検査室でMRIの台に乗せる。最終段階、ここで目を覚ましたら大変だ。今日の苦労は水の泡と消えてしまう。

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検査終了。病棟に戻ってくる。「さあ、これで長い一日は終わり。帰ろう」と思い起こすが、叩いても耳元で叫んでもウンともスンとも言わない。全く起きる様子がない。もう19時だ。起きないので「一泊」と医師から言われる。

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暴れるため虫歯の治療をするだけで全身麻酔をする自閉症の友達がいる。息子は全身麻酔まではいかなかったが、暴れる子ども用専門の大きな病院の歯科で、猛獣を包む緑の網でくるまれながら虫歯の治療をしていた。こういった病院はそういった人用に診察台の両脇に元々編みが備え付けてあるのだ。町の歯医者に行った時「網がない!何故!」と診察台に網がぶら下がっていないことを叫んでいた息子。「網は普通ないんだよお!」

 

 

自閉症は癲癇(てんかん)を起こす確率が高い。それも思春期以降、初癲癇を起こす子も多い。なので今度は癲癇波が出ていないか脳波をとる予定。これも又大変。タコの吸盤のようなものを頭に付けるのだが寝返りを打てばバラバラと外れる。光による癲癇を起こすかどうか調べるため光も当てる。こんな、わざわざ起きそうなことを検査で行う。

 

何でもかんでも簡単には済まないが誰も出来ない経験を母としてさせてもらっているとプラスに捉えよう。でも、仕事で忙しい中、15分で済む検査に丸一日とられ入院までするのは結構大変だけどこれもまた宿命。

 

医学の進歩で頭をどんなに動かしても鮮明に撮影できるMRI、ヘルメットのような帽子を一瞬被れば撮れる脳波の検査機器を誰か発明してくれないだろうか・・・・これ障害児ママはみんな望んでいる。

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カテゴリー:正直なつぶやき

  1. bear より:

    立石先生、無事に終わってよかったですね!お疲れ様でした。うちの長男も生後2ヶ月半で、入院しその後も検査を定期的にしていたのですが、(膀胱逆流現象)うまくいかなくて検査せずに帰ったこともありました。経験をさせてもらっているということ、本当にそうだなと思います。向き合って、いろんな経験をして、親としても人間としても大きくなれる、すべてを受け入れられる。それができるのが、人生のゆたかさですね!  

  2. admin より:

    ベアさん、そうだったんですね。子どもの健康が一番ですよね。私はよく「馬鹿でもいい健康でさえいてくれれば」と思います。ありがとうございました~!

  3. bear より:

     私の性格とかって、わかっていてもなかなか変えられないでいたのですが、私、51歳です。息子の問題行動で、みえてきたものがありました。例えばイライラしている息子は、今の自分なんだなとか・・・自分をかえてくれる子どもの存在ってすごいなぁと思って10年になります。こどもは、わたしたち親のこころの支えですね

  4. admin より:

    わああ、同い年ですね。私は昭和36年12月2日です

  5. Sayaka Ozaki より:

    検査大変お疲れ様でした。
    何よりも無事に終えられて息子さまもお疲れ様です。
     
     下の四歳の娘は二歳までに四回、小児ぜんそくで入院いたしました。一度入院すると短くて一週間は、子供とベッドにつきっきりで、それはそれは監獄のような思いで、退院するときは娘は元気になってるものの
    私はげっそりとしていました。確か元旦から八日間入院したこともありました(笑)
    病院ってなぜかとても疲れますよね。
    本当に健康こそであります。

  6. 匿名 より:

    さやかさんも大変な子育てなさっているのですね、入院中大人はお風呂も院内のものはつかえないですからね。

  7. 匿名 より:

    匿名ではなく立石でした、すみません。

  8. Ayumi より:

    わが家も歯医者は町のお医者さんでは手に終えず、大学病院で網に巻かれて開口具を使用しての治療でした。町の歯医者さんでは「聞き分けのない子」「親が甘やかした我慢の出来ない子」と言われ、治療も出来ず泣きながら帰路を歩きました。大学病院では「非協力児」と呼ばれ先生方も慣れた様子でとてもおおらかな対応をしていただけました。
    立石さんのblogを見ていると、前向きで明るくて元気をもらえます。
    私も頑張らなきゃなって思います。
    またコメントさせてもらいますね。

    • admin より:

      あゆみ様、コメントありがとうございます~前向きっぽく書いている私ですが結構、この時も汗だくで「何でこんなに長時間病院に私は拘束されているんだああ」とかなり切れてはいましたよ。でもこれも経験ですよね。「聞き分けのない子」「甘やかされている」と言われると結構立ち直れないですよね。うううん、わかるわかる。私もプールで言われた酷い言葉一生棺桶に足を突っ込むまできっと覚えているでしょう。意味なくツラツラ書いてしまいました~!

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