2013.07.09
犯罪者になる?
自閉症の息子、小学校3年生くらいまではほとんど言葉がなく、とても心配していたが中学生になった今、会話としては成り立っておらず一方的だがよく喋る。それはそれで色々困ることが沢山出てきた。
このことはよく自閉仲間のお母さん達も言っている。自閉症はコミュニケーション障害だから相手の気持ちが読めない、場の空気がわからない、察しが悪い、比喩など言葉は話せてもこのあたりが全くだめなのだ。ざっとこんな感じ。
① はげている校長先生に「校長先生はどうして毛がないのですか?何故、はげているのですか?」と真剣に聞いてしまう。
② 太っている人に「君は太っているねえ」、背が低い人に「君は背が低いねえ」と言ってしまい相手を怒らせる。
③ 「胸に手を当ててよく考えてみなさい」と先生に叱られ、実際に手を胸に当てる行為をして相手の神経を逆なでする。
④ 「猫の手も借りたい」と言った相手に猫を連れてきて唖然とされる。
⑤ 相手が興味がない顔をしているのに自分の好きな話(時刻表や地図記号)の話を延々として嫌われる。
⑥「絶対に秘密だよ」と友達と約束したのに「”絶対に秘密って約束だよ”とこれこれこういう話が出た」と広めてしまう。これで仲間はずれにされたり苛められたりする。
この間、久々に息子の登校について行った。犬を連れたセレブ系の奥様とすれ違った。すると息子は「わあ、噛まれる、野良犬だ!」と叫んだ。私は冷や汗をかいて「失礼しました」と謝った。相手は気分悪そうな顔。「きっと毎日、犬を見るとこう叫んでいるんだろうなあ・・・」と思った。言っていいことと悪いことがわかっておらず心に思ったことを、そのまんま口に出してしまう。見た目、障害とわからないから相手は「まあ、仕方がないか」と許してくれない。
さらに息子は知能は5歳程度、だから異性への関心はまだ芽生えていない。女性に対する興味ではなく、幼児にように大好きな先生に何のためらいもなく抱きついたりする。傍から見ると異常な光景。だから学校の担任の先生が毎日「○○先生(息子が好きな若い女の先生)に抱きつくのは犯罪です。警察につかまります。30㎝以内には近づいてはいけません」と厳しく指導を受けている。健常児であれば自然に学習できることを、いちいち「この場合はこう、あの場合はこう」と教えていかなくてはならない。
言葉が全く出なかった小学校低学年まで、パニックや自傷行為が今の100倍くらい激しかった時代はそれはそれでかなり悩んでいたが、今は又別の悩みが出現している。更に異性への関心が本当に出てきたら又それはそれで私は困惑すると思う。ある障害児の青年が自分の姉を性欲が突っ走り強姦しようとした。母親は「姉で良かった。もし他人であればどうなっていたか」と言い去勢手術も真剣に考えたようだ。
障害児であっても健常児であっても親にとっても子どもは死ぬまで子ども。心配は尽きないのが親の宿命と言うものだろうか・・・・そういう私も「会社を潰さないで上手く経営しているのだろうか」「本なんか出して表に出て誰かに騙されないだろうか」と未だに心配をかける親にとっての悩みの種の娘なのである。
カテゴリー:正直なつぶやき