2013.08.02
面談で言われたこと
前回のブログで息子の最も苦手とするお金の計算について問題分析し解決法を考えた。(前回のブログも合わせてお読みになると理解が深まります)それについて中学の担任との個人面談で相談を持ちかけた。「もっとこうすると理解できるようになる」という具体的な解決策を教えてもらえると期待して出向いた。結果は180度反対のもの。先生からの答えは「その考え方は止めるように」とNG意見
息子は公立の中学に併設されている特別支援学級に通っている。今までも先生にはずれたことは数回しかない恵まれた運命の私と息子。今の担任のW先生はその中でも最高の先生である。年齢は50歳くらいの男の先生。とても温かな雰囲気の先生。穏やかな物腰だがきちんと言うべきことを言ってくれる。キツイ顔してキツイこと言う私は見習わなくてはならないといつもW先生と話をしていて反省する。W先生は私の凝り固まった考え方をいつも軌道修正してくれる。今、忙しい親も多いのでうちの学校では希望者だけ面談を申し込む形だが、私はどんなに仕事が忙しくても面談を申し込むようにしているし、保護者会にも頑張って出席するようにしている。
さて、「お金を系統だって躍起になって教えなくてもいい」とNGを出したW先生からの話
W先生の言葉
① どんなに頑張っても○○君(息子)には能力的に出来ないことがある。
もっと出来ることを伸ばすように。
② お金の計算なんて出来なくてもお店の人がやってくれる。もし買い物をしてどれだけ出したらいいかわからなくても手の平にお金を出して広げて「わからないので取って下さい」と言えば店の人が多めに取ることしない。お釣りだって「この人、馬鹿だから」と判断してわざと少なく渡す悪人はいない。
③ お金を計算できても物の価値がわからない自閉症の子が多い。能力が優れていても「白菜は2000円くらい」と平気で言ったりする。その価値がわかるようになるのはなかなか障害のある子どもには難しい。お金の計算だけ出来ても意味はない
④ 大事なのは「挨拶できること」「皆から愛されるような人になること」「自分で助けが求められること」それさえ出来れば何とか生きていける。
⑤ 「自立、自立」と躍起にならなくてもよい。健常者だって自立出来ていない大人は沢山いる。自立しないで人に助けてもらって生きるのも一つの方法
⑥ お母さんがそんなに悩むのではなく、まず、お母さん自身が健康で笑顔でいること。これだけで子どもは幸せである。
①~⑥までの話を64分くらいしてくれた。先週のブログにあんなこと書いたが、本当に心から納得してしまい、座右の銘が“君子は豹変す”の私は180度考えを改めた。私はかなり素直な性格なんだ。そして「ああ、私はもうストレス感じて子育てこれからしなくていいんだ」と肩の荷が下りた。
そして、W先生の言葉を再度、噛みしめながら次のよう考えた。
① どんなに頑張っても○○君は能力的に出来ないことがある。
もっと出来ることを伸ばすように
↓
「そうだ!そうだ!期待する方が間違っているんだ。こんなことしていると引っ張って引っ張って芽を摘んでしまう“助長さん”のようになってしまう。出来ることをやらせた方が母子ともにストレスがない。実際、出来ないお金の課題をやらせてばかりいるから本人に苦手意識が既に出来てしまっていて「パスモがないと電車乗らない、買い物したくない」と思っている風。お金を外で握らせると地面に捨ててしまう。
※助長・・・苗を早く生長させようと思った宋の人が苗を引き抜いて枯らしてしまったと「孟子」公孫丑上の故事から》不必要な力添えをして、かえって害すること
② お金の計算なんて出来なくてもお店の人がやってくれる。
↓
「世界一治安のいい日本にこれからも住むのだ。いい人が多いのだ。学習障害(LD)の人だって痴呆症になってしまった人だって、お財布からお金を出して店の人に取ってもらっている光景をスーパーなどでたまに見かけるではないか!息子も一生そうすればいい。それに私がまだ生きている間は何とでもなる。私は51歳だから後30年くらいは生きるだろう。息子はその時、43歳。時代はキャッシュレスで全て携帯やカードで支払う世界になっているかもしれない。だから大丈夫だ!」
③ お金を計算できても物の価値がわからない自閉症の子が多い。
↓
こういうアバウトなことをクリアできないのが自閉の特徴。遠い道のり!
④ 大事なのは「挨拶できること」「皆から愛されるような人になること」「自分で助けが求められること」それさえ出来れば何とか生きていける。
↓
「挨拶は躾ているし、何せ幼くて癒し系キャラの息子このまま行けばOKだ。困っているのに助けを求められないと大変である。うまく言葉をまだ話せないのでお金よりも言語教育が優先だ~!」
⑤ 「自立、自立」と躍起にならなくてもよい。健常者だって自立出来ていない大人は沢山いる。自立しないで人に助けてもらって生きるのも一つの方法
↓
私だってかなり大人になってからやっと自立できた感じ。
⑥ お母さんがそんなに悩むのではなく、まず、お母さん自身が健康で笑顔でいること。これだけで子どもは幸せである。
↓
普段ぶすくれている私は常に笑顔でいるためにはかなり努力が必要だ。健康面ではラクナ脳梗塞もあるし、コレステロールも中性脂肪も多いので病院には頻繁に行っているから案外、長生きするかも・・・
面談を申し込んで本当によかった。こういう先生に出会えて本当に良かった~
W先生ありがとう!
カテゴリー:正直なつぶやき
コメント(8)
私からも、W先生ありがとう~!
個人的には④を強く支持します。存在ボランティアになることも出来ます。
4が一番大事かもです(^-^)v
W先生を皆の教祖様にしたいですね。理想の先生です!!立石美津子
こんばんは。とても参考になりました。
私と息子は、ほとほと学校や塾の先生運はないようです。でも今は病院の先生には恵まれていて一通りの治療は出来るようになりました。(歯医者はかなり難関ですが…)
特に④と⑥は響きました…
また更新楽しみにしています。
こんばんは、立石先生が、癒されて、とても良かったです。特に⑥であって欲しいで~す。
物事は捉え方ですよね。間違った捉え方を軌道修正してくれる師が親にも必要ですね。そんな私も息子のことに関しては素直に受け入れられましたが、自分のこととなると素直に軌道修正出来ません。仕事上のことですが、とある人から私の態度・言動を厳しく毎日注意されて、それを指摘する相手を恨んでいる私です。自分を全て否定されているように捉えてしまっています。そうでないことは理性ではわかっているのですが心がそれに応じません。偉そうにブログなんて書く視覚なんてない自己否定の毎日が続きています。
先生のブログ、いつも心動かされています。
私も、認知症の義母の事で、日本って良い国だな、良い人達に巡り会えたなと実感した出来事が最近ありました。
周りの人々に支えられ、義母がニコニコ過ごせることに感謝の日々です。
愛される人になる、W先生の言葉も響きました。
ひろみさん、有難うございます~良い国ですよね。そこにどっぷりつかっているとその幸せがわかっていないことが私にも多くあります。W先生の話を聞いて日本に生まれて良かったと思いました。又、ブログ読んでくださって本当に有難うございます~ 立石美津子