2013.08.23
エピペン注射
エピペン注射をご存知ですか?これです!こうやって太ももに打ちます。
エピペンとはハチに刺された、食物アレルギーなどによるにアナフィラキシー対する緊急補助治療に使用される注射。薬剤はアドレナリンで気管支を広げる作用や心臓の機能を増強して血圧を上昇させてショック症状を改善する作用がある。アナフィラキシーを起こす可能性の高い患者が自宅に常備することで発症の際に医療機関へ搬送されるまでの症状悪化防止に役立っている。アナフィラキシーショックとはアレルギー反応の中で最も重篤なもので場合によっては死につながることがある。
息子も重度の食物アレルギー。13年の中で6回ほどこれを起こして救命処置を受けた経験がある。それについては詳しくは以前のブログ「命をかけた食事」で書いた。tateishi-mitsuko.com/blog/%e8%87%aa%e9%96%89%e7%97%87/20130301010059.html
又、食物アレルギーの事故については以前のブロク「女児が死んだのは誰の責任か」で書いた。tateishi-mitsuko.com/blog/%e3%81%a4%e3%81%b6%e3%82%84%e3%81%8d/20121228010009.html
是非、この2つのブログは読んで欲しい・・・
アナフィラキシーを起こして死にかけた経験が本人にとってよほど苦しかったのだろう。今ではこうやってお菓子の裏など入念に自分でチェックしている!
さて、8月19日の夜9時のNHKニュースでエピペンについてこんなニュースが流れた。
「千葉県船橋市に住む5歳の女の子は小麦などに重いアレルギーがあるという。女の子はこれまでに何度もショック症状を起こし、危険な状況に陥ったこともあり、万が一に備えて症状を抑えるエピペンが手放せないという。アレルギーが原因で、女の子は保育所に入所できていないという。保育の現場にエピペンを持ち込ませないことが市の方針だからだ。
エピペンにどう対応すべきか、問題を深刻にしたのが去年12月東京都調布市の小学校で起きた死亡事故。児童はエピペンを持っていたが、教員はアレルギー症状と判断できずすぐに打つことができず、対応の遅れが死亡原因の1つとされた。事故のあと、教育や保育の現場では波紋が広がった。船橋市は今年3月ガイドラインを作り、エピペンを預からないことを改めて明文化し、事実上エピペンが必要な子どもを保育所では受け入れない方針を明確にした。船橋市保育課の伊藤誠二保育課長はアレルギーの状態が一人ひとり違い預かれないと判断したとコメントした。
NPO法人アレルギーを考える母の会は、エピペンに対応してもらえないという訴えが次々と寄せられている。園部まり子代表理事は、なにかあったら母親がエピペンを持って飛んできてほしいという学校もあり、母親が普通の生活ができない状態になっていることも聞くとコメント。一方、学校関係者からも相談が寄せられており、戸惑いを訴える声も50件位上寄せられている。食物アレルギーに詳しい赤澤晃医師は現場だけに負担のかからない仕組みを作ることが大事だと指摘。
娘が保育所に入所できずにいる船橋市の母親はエピペンを適切に取り扱ってほしいと船橋市役所に要望した。その後、市はエピペンを受け入れないという方針を撤回し、現場の保育士を対象にした研修会を専門家を招き開催した。しかし、1度研修を受けただけでは不安は拭えないという声も少なくなかった。(ネット抜粋)」
赤澤晃先生はかつての息子の食物アレルギーの主治医。
息子が生まれた時は家庭用としてこれがなかった。エピペンを病院外で注射できるようになったのは息子が4歳の頃、この時は「本当に救われた!」と大喜びした。当時はこの薬は保健もきかず1本2万円近く、しかも消費期限が1年間だった。1年経過したら未使用でも再度、医師の処方を受けるのだ。
家庭でも扱えるようになったエピペンだが、当時は本人又は親、医療従事者しか打ってはならない規則があり、保育園で注射を預かってもらうことが出来なかった。
“宝の持ち腐れ”とはまさにこのこと。保育園ショックを起こしても食物アレルギー患者にとっての救世主である薬が目の前にあるのに保育士は打ってはいけないというルールがあったのだ。ましてやショック症状を起こしている子どもが自分で打てる訳もない。このエピペンは打つタイミングを逃すと意味がない。仕事中の母親が駆けつけてももう遅い。
その後、この規則はなくなり保護者と学校関係者の話し合いの上、看護師・医師でない保健の先生や担任でも緊急時に打ってよいこととなった。保健適応もされた。(但し、消費期限は1年、エピペン注射を処方出来る医師も特別な資格がある医師でなくてはならず予約が大変。近所のクリニックに行って簡単にもらえるものではない)
さて、調布で女児が死亡した原因はエピペン注射を打つのが14分後だったこと。牛乳アレルギーのある5年生の女児が粉チーズ入りのチジミを食べて具合が悪くなって、本人も単なる喘息と勘違いして注射を断ったという。しかし、これは喘息発作ではなかった。担任はその言葉に従いエピペンを打たずにいたところ、どんどん重症化して死亡した。救急車が到着した時には息絶えていた。この事件があったからこそエピペンを積極的に使うように学校側がなってほしいのだが、却って恐ろしくなってしまった学校も多かったようだ。
ニュースでは学校関係者が「エピペンはどのような状態になったらアレルギーと判断して打てばいいのか」「注射して何かあったら・・」と答えていた。私には「単に責任を負いたくない」と言っているとしか聞こえなかった。子どものことなんか考えていない。親が駆けつけるのを待っていたら間に合わないのに「お母さんが急いで来てください」と平気で言う。
エピペン注射をするのは親だって学校の先生と同じように不安だ。喉に違和感があり、おかしな咳をし始めた時、医師ではないので単なる喘息かアナフィラキシーショックのはじまりか素人判断できない。私も何度も迷った。でも、主治医からは「ともかく打て!おかしいと思ったら打て!様子をしばらく見ていてはいけない!仮にそうでないのに打ったとしても打たないで死に至るよりはいいでしょう」と何度も言われている。効果は15分~20分しかないので打った直後、必ず救急車で病院にくるように言われている。
息子は幸い学校の理解があり毎日、学校に携帯している。中学入学時に特別支援学級の先生と保健の先生を集め、素人である私がエピペンの打ち方を講習した。息子の場合の初期症状はたいてい軽い咳からはじまり、顔の腫れ、全身の腫れ・・・と発展していくこともしっかり伝えてある。それでも担任の先生は「打つタイミングがよくわからない」と呟いていたので「様子がおかしかったらともかく打ってください!」と伝えてある。幸い、今のところ使う状況にはなっていない。
注射でも結構簡単。写真のようにかなり太く、針も大きいのでビビッてしまうかもしれないが、太ももに差して「パチン!」という音がしたら針が飛び出た証拠、30秒くらい抜かないでそのまま差していると筒の中の薬が身体に入っていきショック状態からは脱することが出来る。服がなかなか脱げない場合はズボンの上から打ってもよい。説明書やDVD、このように練習用キッドまである。
だから、怖がらないで子どもの命を助けると思って打ってほしい。「様子がおかしかったので打ちました」と結果アナフィラキシーではなくて打ったとしても文句を言う親はいないと思う。打った直後、救急車を呼ぶのだからたとえ何かあっても病院で処置はしてくれる。
最後に・・・
子育てってどんな子どもでも大変だと思う。でも、食事は一日3回必ずある。何の不安も感じないで食事が出来る幸せを食物アレルギーの子どもを持っていないお母さんは感謝してほしい。命をかけた食事を毎日している子どもがいるということを知ってほしい。毎朝、息子を送りだす時「エピペンが登場しないで無事、学校で過ごして欲しい・・・」と祈る私であった。
※主治医が言っていたが、エピペンを打って落ち着いたからと安心してしまい病院に連れてこないで再度、ショックを起こして大変なことになる人がいる。それから救急救命センターではなく街中の小児科に連れて行ってしまう親もいる。アレルギーショックによる気道確保などの救命処置は街中のクリニック、小児科では出来ないので注意してほしい。
カテゴリー:正直なつぶやき
「エピペン」って、いい部分もあれば、問題も多いものなんですネェ!
スズメバチに1度、刺された事がある私としてはありがたいですが、消火器と同じように使用期限があるのもネックですナ!!
(-_-;)/
それは大変でしね、消化器と同じううんそうか!