2013.08.30

我儘とこだわりの境目

図48 図49

自閉症児を育てているママ達に共通の躾の悩みがある。それは、自閉症の子どもには写真のように同じ遊びしかしない、同じパターンにこだわりそれが叶わないとパニックを起こすことが多々あるが、たまにその行動が自閉症の脳からくる“こだわり”なのか“単なる我儘”なのか境目がわからなくなるということだ。

さて、次のすべてがある時、自閉症と医学的には診断される。自閉症の”三つ組”と呼ばれている。

 

①    社会性の障害

②    コミュニケーションの障害

③    常同行動・固執行動

 

自閉症の子どもは変化に対して強い不安感がある。これが同じものに固執して安心しようとする同一保持性が“こだわり”として表れる。手をヒラヒラさせる儀式的行為だったり同じ道順に固執したり、急な予定変更に対してパニックを起こすなどがいい例だ。息子は「ボタンが付いた服」を嫌い着ることが出来ない。きっかけはポロシャツを着せた時、私が首が苦しいだろうと第一ボタンを止めないように強制したからだ。同一保持性があるため「何故、第二第三ボタンはしめるのに第一ボタンは開けておかなくてならないのか」と思っていて全部止めることにこだわっていた。これを許さなかった私の誤った躾によりボタン付きの服を今でも着ることが出来なくなってしまった。

 

 

だから、こだわりから来る行動だったら親はこれに応じてやらなくてはならない。同じ道順で歩かないと大騒ぎする場合、どんなに急いでいても同じ道順で行ってやらなくてはならない。ボタンを全部しめることを許してやらなくてはならない。しかし、これがこだわりではなく我儘だったらしっかり躾をしなくてはならない。

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日本地図パズルの破片、1ピースがなくなったことがあった。そこを飛ばして作ればいいのにある筈のものがないことに大パニックを起こした。通常、子どもはパズルを適当に手に取ったものから作るが自閉症の場合は100ピースあっても1番から100番まで、たとえそれが世界地図、日本地図パズルのようなものではなくても置いていく順番がきっちり頭の中で決まっている。その途中の43番がないともう駄目なのだ。その時点で星飛雄馬(ほしひゅうま)の父のようにちゃぶ台をひっくり返して暴れる(古い!)

 

 

これはこだわり。我儘ではない。だから「1つくらいなくたってワーワー言うんじゃあないの!あるものから作ればいいでしょ!そのうち見つかるから~!」なんて言っても絶対に通じない。たかがパズルがなくなっただけのことなのに自分の身体を傷付ける自傷行為に発展し手がつけられない状態になる。だからパズルを買う時は同じものを何セットも買った。パズルのピースを家電の消耗品のようにばら売りしている筈がなく、2倍3倍のお金を払って全く同じものを何セットも買うのだ。

 

 

足のサイズが大きくなり靴を買いかえる時もこれまた大変。全く同じガラで同じ色のものでないと受け入れない。だから15㎝の靴を買ったら16㎝、17㎝と同じ見た目のものをまとめて買う。

 

 

衣替えもこれまた大変、夏が終わり肌寒くなり長袖を着せようもんなら大騒ぎする。「しばらく半袖だったのに何故に長袖!」と混乱しこれまたパニック。だから仕方なく長袖の上に半袖を着せて無理やり納得させる。そして徐々に長袖だけにする。(写真の上から順に数日かけて馴らしていく)

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こうやって年に2回の衣替えの時、親子のバトルが繰り返される。衣替えの季節は自閉症児の子どもを持つ親はブルーになってしまう季節だ。中学生になった息子も自閉症児なりに成長、発達し、衣替えも不愉快そうだが幼児の頃よりはスムーズになった。しかし、中学生になっても「6月にならないと半袖は着ない」と決めているようで5月31日に気温が30度近くになっても「5月は夏ではないから絶対長袖!」とマイこだわりで決めている。自分の不快感よりこだわりを崩される不安の方が大きいのが自閉症の脳だ。

 

 

更にこの脳の問題で感覚過敏がある。聴覚過敏が代表的なもので自閉症児がよく耳ふさぎをしている。耳栓をして対処したりする。

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聴覚過敏と同じカテゴリーで味覚過敏がある。単なる好き嫌いか、脳の感覚過敏によるものかこれまた見分けが難しいのだ。味覚過敏によるものが原因だったら「好き嫌いをしてはなりません」とは言ってはならない。本人にとっては「ゴキブリを食べよ」あるいは砂を噛んでいるような感覚なのだ。我儘ではなく本当に食べられないのだ。

 

 

しかし自閉症児も我儘を言うことがある。自閉症はあまり自分の意志を表に出さないが、それでも好きなおもちゃを欲しがる。それを外出の度にデパートのおもちゃ売り場に行きたがり欲しがって大騒ぎする。これはこだわりではなく我儘!躾として「クリスマスと誕生日以外は買いません!これがうちのルールです!」ときっぱりと断る。どんなに叫んでも買わない。ここで買ってしまうと「騒ぐと買ってくれる」と悪い学習してしまうからだ。(だいたい最近の親はおもちゃを買いすぎる。一作目の本の192ページにもばっちり書いた)

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少し話があちこちにとっちらかってしまったが、要は我儘かこだわりか見分けるのが結構大変ということだ。でも、自閉症母として5年以上キャリアを積んでくるとこれが動物的直感でわかってくるから不思議だ。ここのところはどんなに専門書を読んでも答えは絶対に出てはこない。こだわりは100人自閉症児がいれば100通りあると言っても過言ではない。自分で育ててみて初めてわかる。

 

 

もし、息子が自閉症児として成長してこだわりが少なくなった時「お母さんを騙すために僕の我儘だけど“こだわりの振り”をしよう」なんてなってくれるのが夢だ。そんな風にできるようになったら、もはや自閉症ではない。でも、残念だかそんなことは一生起こらない。これは悲しいかな単なる私の妄想である。

 

カテゴリー:正直なつぶやき

コメント(2)

  1. 大信田昌宏 より:

    「こだわり」と〝わがまま〟
    この2つは感じ方によって紙一重ですよネ!

    確かに私が子供の頃と比べ、最近の親はゲーム機やスマートフォンなど、買い与えてばかりいる気がしマス!!

    せめて、誕生日やお手伝いをした時のご褒美として物を買ってあげる事を教えてあげたいですナ!

    (-_-;)/

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