2013.11.12

通じない質問(奇数・偶数)

先日、地元の公立中学に併設されている特別支援学級の公開授業を見学に行った。息子が通う知的障害児のためのクラスだ。

 

 

数学の授業だった。“数学”とは名ばかりで内容は小学校の算数程度

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テーマは『割れる数、割れない数(偶数・奇数)』

 

 

担任の先生が黒板に磁石を4個貼り「皆さん~これは割れますか?割れませんか?」と質問している。

 

 

まぐれなのか理解して答えているのか「割れます~!」と子ども達から元気な回答

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次は磁石を6個貼り、「皆さん~これは割れますか?割れませんか?」と質問

 

 

「割れます~!」と子ども達から元気な回答

 

 

今度はまぐれではないようだ。

 

 

何故なら生徒の中には息子のように出来が悪い子だけでなく小学校時代、普通学級に6年間、籍を置いていて中学に入学する時点でいよいよ着いていけなくなりドロップアウトして特別支援学級に入学してくる生徒もいるからだ。

 

 

優秀なグレーゾーンの子ども達だ。

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さて、口パクで適当に他の生徒の真似をして答えている子どももいるので、先生は今度は一人ずつ指名した。

 

 

磁石を5個貼り「△△君~これは割れますか?割れませんか?」生徒は答える。「割れません」まぐれか理解して答えているのかは定かではない。

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いよいよ息子の番、先生は磁石を3個貼り「○○君(息子の名前)これは割れますか?割れませんか?」

 

 

息子「割れます」と答える。先生は「○○君~本当に割れるかな?」でも息子は「割れます」と抑揚のない声で答える。

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先生はしつこく質問する。「これは割れますか?割れませんか?」息子「割れません」と遂に正解する。

 

 

でも私には確かに聞こえた!「割れません」の後に蚊の鳴くような声で「か」と確かに聞こえた。そうなのだ。

 

 

先生が「割れませんか」と言ったのでそのまんまオウム返しして「割れませんか」と答えただけなのだ。先生はそれが聞こえたか聞こえないかOKとした。

 

 

もう、1巡して息子の番。先生は磁石を1個貼り「○○君(息子の名前)これは割れますか?」と聞いた。

 

 

なんと答えは「割れます」と。先生は「???」でも私にはわかった。息子は抽象的な数の理解が出来ない。磁石でもトンカチで割れば割れるから割れると答えたのだ。

 

 

3個の磁石だって先生は「同じ数に割れますか?」の「同じ数」を省略して言わなかったで息子は「2個と1個に割れる」と回答したのだ。

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自閉症スペクトラムの一つのアスペルガー症候群の人が「お風呂のお湯を見てきて」と言われ、溢れたお湯をただ見に行ってきたというエピソードがある。

 

 

アスペルガーの人には「お風呂に行ってお湯を見てきて。溢れていたら止めてきて」と言わなくてはならないのだ。

 

 

想像力の障害があるから、言葉の裏にある意味を読み取ることが難しい。だから数学の授業でも「喧嘩をしないように同じ数に分けることが出来ますか?」と質問してほしかった。

 

 

できれば磁石など抽象的な物に置き換えないで飴の絵を描いたイラストなどで示してくれたら尚、よかった。

 

 

数学の授業はそのまま進み、最後は「7は偶数ですか?奇数ですか?」「42は偶数ですか?奇数ですか?」まで発展した。も

 

 

ちろん、息子はチンプンカンプン。

 

 

でも私は決して先生を批判しているのではない。

 

 

息子が通う特別支援学級では数学は能力別に4クラスに分けている。でもあまりにも能力差が激しくてどこに基準を設けたらよいのか困難を極めている状態。

 

 

偶数、奇数の数学の単元は学力最下位のクラスで行われていた。

 

 

「そんな難しい内容はもっと知的障害がある子ども達の中でもましな上のクラスで扱う単元なのではないか!」と意見されそうだが、実は上のクラスでは三角形の面積やらX、Yの連立法的式をやっているくらい。

 

 

学力差の激しい生徒が30人近くいて教員配置する時、これが限界なのだ。だからこれは国の問題でもある。

 

 

又、教育というのは目先のことを解決する能力をつけるものではない。

 

 

私は小学校5年生の時、担任が「君たちが大人になる頃にはそろばんはこの世から消えているので、私はそろばんの単元を抜かす」と言われそろばんを習わなかった。だから私は暗算が苦手。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA頭でそろばんをはじくことが出来ると、計算力が付き頭の回転もよくなる。

 

 

「英語が出来なくても英語瞬間翻訳機をみんなが携帯する時代がくるから」「時計が読めなくても数字だけのデジタル時計の数字を読めば事足りる」も同じ変な理屈。

 

 

“相手の声のトーン、表情、態度など空気を読んで自分の生の声で外国人と会話する”“針のついた時計を見て時間の経過を意識したり、スケジュール管理する”これは機械には出来ないこと。

 

 

 

教育とは一見、何の役にも立たないことをやっているようで、実は意味あることをやっていること。

 

 

だから偶数・奇数の単元があるのだ。

 

 

でも私の本音はお金、時計など実際に自立のために役に立つことを学校の数学でやってほしい。

 

 

でも、それが叶わないので朝、毎日、登校前に実物のお金を使って“疑似買い物体験”をさせている。三枚目の写真はお店での実体験中!

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カテゴリー:正直なつぶやき

コメント(2)

  1. 大信田昌宏 より:

    算数も数学も
    四則演算が出て複雑でわかりにくいですよネ!

    子供によって能力は異なりますから教育に問題が出てくるのは当然でしょうナ。

    息子さんに関しては時間はかかるでしょうが、
    数字について理解を深めていっていただきたいです。

    (^人^)

  2. ribonboo より:

    3次元の世界を2次元の黒板を使って、素数理論を回答するって問題ですよね。
    多分、今の大学生のほとんどが、アインシュタインの一般相対性理論の公式が、正解なのか、ほら吹き回答なのか、説明できないと思いますので、僕の脳みそは、出来が悪いのだと思います。

    反省、、、

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