2013.11.29
褒めて躾けるなんて出来ない!
世の中には「子どもは褒めて育てなさい」と言う教育家が多い、これはまだまし、「子どもは褒めて躾なさい」という人もいる。「褒めて伸ばす」「褒める・・・なんちゃら・・・」こんな本も沢山出回っているようだ。だから、私も出版社からこの手の本を書くことを依頼されることもある。
しかし、私はこのような内容を書くことは大の苦手。私のブログの読後感を味わった人ならばわかるだろうが、私はひねくれている。「”褒めて伸ばす”??何故に”伸ばす”必要があるのか?」とタイトル見ただけで買う気が起こらない私。自虐することを通して表現している暗い人間。私が被り物をした写真を見た人は「明るいエネルギッシュな人」「前向きなプラス思考の人」と錯覚するようだが、超が付くマイナス思考であり、エネルギッシュに見えるのは単に私が衝動性が高く、考えないで行動したり口に出したりするからだ。
又、ブログなんて書くくらいの人間なので自己顕示欲が相当高いのだと思う。本来、日記なんて誰にも見せない自分だけのもの。Facebookに自分の姿をアップしたり、公開ブログを書いたり、テレビやラジオに出たがりの人は究極のナルシストなんだと思う。私も自己陶酔しているそんな部類に属するナルちゃん人間なのかもしれない。
話を戻そう。
神様やマリア様のような母親ならば「褒めて育てる」なんて至難の業を軽々とこなせるかもしれない。しかし、そんな器用な人に私はめったに出会ったことがない。こんな芸当は普通は無理!
幼児教育専門家の端くれである私はこう言いたい。端くれなんていいもんじゃあない。ただのねじれたおばはん!おばはんは吠える!“褒めることと躾けることを別にしなさい”と・・・・
こう分けて考えよう
①“褒める”ことは、あるがままを受け入れ認めること、結果、自己肯定感をつけること、「伸ばそう」とすると結果、引っ張ることになる。
褒めることを通して結果を求めている魂胆見え見え、だから「伸ばそう」なんて望まないこと
②躾けることは犬猫の躾と同じで理屈抜きで良い悪いを形から教えること
①と②を別の子育て作業としてやっていれば①②はそのうち勝手に結びつく。人間には一人で成長する力が備わっているからだ。
何だかわかりにくい。具体的に掘り下げてみよう。
①褒めて自己肯定感を育む
「片付けをきちんとしてお利口だね」ではなく「片づけをしてくれるからお母さんは助かる~」「片付けてくれるから家がいつも綺麗で快適に家族が過ごせるわ。ありがとね!」と言うだけでよい。「~~しているから偉い、お利口だ、いい子」なんて余計な語尾をつけるから相手の評価を気にするように育ってしまう。家族の一員として当たり前の整理整頓、だから「片付けしてくれる」の「くれる」も余計なひと言かもしれない。更に別に”片付けることが偉いこと”だとは私は思わない。片付けたことにより皆が快適になった場合はそれは褒めるに値するのかもしれない。でも、片付けることで皆が不愉快になればそれは褒められることではない。
「落ち着きがないことは悪いことだ」と言うのも同じ。なぜ、落ち着きがないことが悪いことなのか、『落ち着きがない子=態度が悪い子』なのか私にはよくわからない。色々なことに興味関心があってよいことではないか!
だから、行動により相手に利益をもたらせばその事実だけを伝え感謝すればよい。すると子どもは自身の存在価値、存在承認が出来る。
②躾ける
「挨拶して偉いね」ではなく『“同じマンション内の人だとわかったら親しくなくても自分からエレベーター内で挨拶をする”“新聞を取りに郵便受けで人にあったら“おはようございます”これが我が家の掟だ!』と命じるのだ。我が家のルール、当たり前のこととして命令する。『人に会ったら自分から挨拶する!』と貼り紙しておくのもよい。出来たからと言って特にオーバーに褒める必要もなく「そうそう、それでよろしい」と言ってやればよい。
こんな光景を目にすることがある。会議の最中、お茶を汲みまくっている女性社員。この人はお茶・コピー係りではなく会議の大事な参加者。なのに会議の話題に集中するどころか人のコップ中の麦茶の位置を異常に気にしている。意地悪な私は「この女は“よく気が付く女性だなあ”と思われたいんだ。男性社員に媚を売っているあほ女だ。そんなに人からの評価が大事なんか!」と・・・そして、これ見よがしに翌週、紙パックの麦茶を用意した立石。「紙パックだからどれだけお茶が減ったか外からは見えない、こうすればこの女は会議に集中するだろう」と考えた訳だ。「スタッフ全員を会議に集中させることのできる方法を取った私って会社にとって最高に気が利く女」と自画自賛したが、誰もそこまで深読みはしないで「立石ってきつい女」と思ったに違いない。これが20年近くも前にの32歳の若い私がとった行動。本にもばっちり書いた。(“小学校に入る前にやってはいけない115のこと”中経出版 p48)
何が言いたいのかと言うと、褒めて躾けると他者評価が最優先で思考し行動する人に育ってしまうということだ。更に 「褒めて躾ける」なんて高尚なこと出来ない人が多いのだから、この二つをきっぱりと分けて子育てすれば結果うまく行くということを今日は書いた訳。褒める時には「だから偉い」「だからお利口だ」「だからいい子」とは言わないで「助かります」「お母さんは嬉しいです」と言えばよい。躾ける時は理屈抜きでルールとして形式的に命じればいい。賛同する方は実行してみてください!今日は理屈っぽいブログでした。
カテゴリー:正直なつぶやき
コメント(7)
立石先生、おはようございます。
本日のブログ、賛同です!!実行します。
お茶汲み女性社員さんのお話、大笑いさせていただきました。
私はいつもそういう場面の時「あっ、、私って気が利かない。」と思いつつ、自分の事で精一杯で、お手伝いはできない派でした。紙パックお茶だったら最高!!なんて合理的。
と考えてしまいます〜。(他の女性社員も口にはださないでしょうが紙パックでラッキーと思っていたのではないでしょうか。)
いくこさんありがとうございます☻お茶女、無性に腹立つ私どす、かわゆくない性格です、年取り益々バージョンアップしている今日この頃です☻
今回のブログ、
私も大いに賛同しますヨ!
褒めてばかりでは人は成長しません!!
時には叱り、〝躾ける〟という姿勢が大事ですナ!
(ー_ー)!!
立石先生、初めまして。
下の子が自閉症スペクトラムの診断を受けて以来、こちらのブログを順番に読ませていただいています。
本日の内容、とても勉強になりました!
これまでモヤモヤしていた霧が晴れたような気分です。
私も実行できるように努力します。
今だからこそ色々書けますが、ホン—–トに息子が8歳くらいまでは気が狂いそうに大変でした!
立石先生
お返事ありがとうございます。
『発達障害に生まれて』も全部読ませていただきました。
うちの子はまだ2歳4ヵ月で、役所で大丈夫と言われていましたが、クリニックにて診断を受けました。正直、受け入れられないのではなく、どこが障害なのか見えにくいです。
今後も色々と参考にさせていただきます。
ありがとうございます!大昔のブログはお恥ずかしいくらい内容が薄いので最近のを読んでくださいね~