2013.12.03

指示語はよくないです!

毎日繰り返される息子との耐え難い会話

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(その①)

息子「お誕生日、プラレール買う」

(※知的遅れがある自閉症なので中学生になっても単語の羅列しかできない。抑揚のない片言の日本語なので健常児から「お前、中国人みたいだ」とよくからかわれ、苛められていた)

 

私 「うん、わかった」

息子「うんしか言えない」「わあああああ!!!」 パニックはじまる

 

 

(その②)

息子「雨、降っている」・・・疑問形なのだが一本調子

私 「そうだね」

息子「そうだねしか言えない」「わあああああああ!!!」 パニック始まる

 

 

どう言えば、パニックに発展しなかったのかと言うと正解は下記

①の場合・・・・・・「お誕生日にプラレール買おうね」

 

②の場合・・・・・・「雨が降っているね」

 

上記のように私が答えればよかったのだ。カウンセリングの大事な技法で「傾聴」という言葉がある。まるで心理カウンセラーのようになって相手の言葉を同じように繰り返し、共感しているように感じさせる能動的傾聴をしなくてはならなかったのだ。単に言葉を拾う「聞く」ではなく「共感して聴く」のだ!

 

 

 

精神神経科の診察室、不安を抱えた患者が「いつも朝起きたら気分が沈んでしまって・・・」と話をしたら「はい、そうなんですね」ではなく「朝、気分が沈んでしまうのですね」と相手が言った言葉をオウム返しするのがカウンセラーや精神科医。これにより患者は自分の気持ちをわかってくれたと主治医に心を開き治療が開始される。

 

 

 

だから、精神科医のようになって私がオウム返し安心させてやらなくてはならないのだ。でも、パソコンを打っている、料理を作っている最中などこちらの状況お構いなしに、毎回、答えを要求してくるので「うん、うん」とつい簡単に済ませてしまう。そして、これが毎日続くとたまったもんじゃあないので「同じこと言わせないで!!」私がイラついたり切れたりしてしまう。

 

 

 

でも彼の立場になってみよう。目に見えるもの、具体的な指示しかわからない自閉症の子ども。比喩、指示語がわからないから不安になってる。

 

 

 

幼稚園、保育園の保育者が「もう少し我慢して座っていなさい」なんて指示をしている場面に出くわすが、子どもに身になってみると「もう少し」の時間が意味不明。10秒なのか、1分なのか5分なのか、いやいや永遠に続くのかわからない。

 

「ブランコの順番守りなさい」と言われても?「花子ちゃんと太郎君が乗った後、3番目だからね」と言わなくてはならない。「リンゴの色に似たクレヨンを使って夕焼けを描きましょう」と言われても意味不明。青リンゴもあるからだ「赤いクレヨンで描きましょう」と明確に指示を出さなくてならない。こんなことを偉そうに講演会で叫んでいるのに家で全くできていない私・・・写真は私の講演会用パワポ(テーマ・・・問題行動を起こす子どもの対処法講座)

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ところで、私は自分の本を書く時、マイルールとして決めていることがある。下記の二つ

①    「と感じる」「思う」を語尾に使わないで言い切る。

②     主語に「私は」を使わない

 

「思う」は自分が言い切ってしまわないように、自分が責任を負いたくないための「逃げの語尾」のように思っているので強がって使いたくない。「私」を使いたくないのは自分が作者なのだから「立石美津子」が主語に決まっているのだから使わない。

 

 

しかし、一点気が付かない点で厳しく指摘されたことがある。三作目の本(写真)の編集者から編集段階で「それ、あれ、ここ、そういうこと」などの指示語をできるだけ使わないように注意されたことだ。今まで指示語に対しては意識していなかった。「立石さんの文章が指示語が多い。読者がいちいちどこを指すのか考えなくてはならないので読者に優しくない」と明確に指摘され、指示語にラインマーカーを入れられた。確かにそうだった。(この「そう」もダメ)

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先日、とある講演会を聞きに行った。社会的地位のある立派な専門家だったが、はっきり言って「聴衆があほだ」という前提がない話の仕方だった。だから講演者としては「下手くそ」と思った。つまり、その人しかわからない専門用語が多く、しかも「それ、あれ、これ」の指示語のオンパレード。やたら指示語が多いので、聞きながらどのことを指すのか頭をフル回転させなくてはならないので脳が疲れてしまった。もし、学びたいという意識もなく興味のないテーマで仕方なく聞きに行った場合、指示語が多いと途中からわからなくなり睡魔が襲ってくる。聴衆がわかっていると勘違いしているのは講演者だけというケースも多々ある。

 

 

 

話を元に戻そう。編集者に注意されて自閉症児の母として子育ての中で「うん、そうだね」と言う指示語が多いことに気付かされ反省した。「そうだね」この一言が子どもを不安にさせている。この歳になって他人から厳しく叱られる経験もあまりないが、叱られた時は素直になって聞き入れたいと思う。自分が確実に成長できるから・・・

カテゴリー:正直なつぶやき

コメント(1)

  1. 大信田昌宏 より:

    疲れているとつい、「そうだネ」や相槌を打つだけになってしまいますよネェ!

    こういう場合は意識をはっきり持って相手に接するのが1番という事ですナ。

    今日のブログ、為になりました!
    ありがとうございマス☆

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