2014.01.24

頭のいい人の落とし穴

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 私は2年前にはじめて本を出版した。本が出来る過程で著者と編集者はペアを組み苦労してよい本を作り上げていく。意見が一致したり対立することもある。著者は自分の熱い思いで「この章はこんな内容で書けば読者の心をつかむ」とこだわっても、出版業界のプロである経験値の高い編集者が「ここんとこはこう切り口を変えないと魅力がない」となると喧嘩になったりする。でも目的は一つ“良い本を作ること”

 

部数売るには出版社の営業力だったり書店の店主が平積みしてくれるどうか、マスコミで取り上げられるかどうかと色々あるようだが、よい本はすたれないで後世に残っていく。

 

ある出版コンサルタントの人から「著者と編集者は夫婦で子育てしているようなもの」と言っていた。確かにそうだ!”子どもを立派に育てたい”と思いは同じ。けれども、躾一つするのにも母親は「残さず食べなさい」と口やかましく言い、父親は「嫌いなもんは無理して食べなくていい」と対応を甘くすると子どもは混乱する。編集者と著者は役割は違うが根本の部分で一致していないと読者は混乱する。混乱するとは読んでいてなんかおかしな本、ぶれている本、熱い思いが伝わってこない本だ。結果、版を重ねることなく消えていく。

 

 

 

3月に出版する本も含めて私は合計4冊の本、3つの出版社、つまり3人の編集者と一緒に本を作り上げた。進行中の企画を含めると合計6人の編集者と仕事をしている。皆、それぞれ個性があるがさすがその道のプロ!著者が一冊の本にだけ集中している時に同時進行で様々なジャンルの本、著者の書いた本の編集作業をしている。私なんて誰の手も入らない日記やブログ書いた経験しかないので、他人と一緒に文章を仕上げていく作業は勉強になることが沢山あった。

 

 

さて、文章を書くために参考にしたのは“文章力の基本(実業出版社)”かなり役に立っている。文章を書く機会がある人は是非、読んでもらいたい本。

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前置きが長くなってしまったが本題に入ろう。私はちょっとばかり出版の世界に足を踏み入れて人生経験を積んだ。すると人の話し方にも気になることが多々出てきてしまった。気になる人は以降の3つのタイプ。

 

1.指示語が多い人

一つ目は指示語が多い人。これは頭のよい人が陥りやすい傾向。相手の理解力を自分と同じだと錯覚していて、やたら「あれ、それ、これ」との指示語がやたら連呼する人

私の母は頭が特によい訳ではないが年を取るごとに指示語が多くなってきている。「棚の上にあるセロテープを取って!」と言わないで「ねえ、あそこのあれ取って!」と言う。私が醤油を渡すと「違うってば!あれよあれ!」と言う。ラー油を渡すと「何んでラー油、渡すの!」と自分がわかりにくい言い方をしながら怒り出す。更に「なんてあんたは察しが悪いの!感が鈍い!」と私を罵倒する。

聞いている人が自分と同じ理解をしてくれるものだと錯覚している。通じていないことがわかっていない。講演会や会議でも同じようなタイプがいる。聴衆は眠くてしかたがないのに「“あれ”は何を指すか、“これ”はどれを指すか、“それ”は何だか・・・・」といちいち翻訳して考えなくてはならないので聴いているだけでとても疲れる。

 

しかし、偉そうなこと言っている私も文章の中で指示語が多いことも3冊目の本の編集者から厳しく指摘された。

以前のブログに書いています→tateishi-mitsuko.com/blog/%E6%AD%A3%E7%9B%B4%E3%81%AA%E3%81%A4%E3%81%B6%E3%82%84%E3%81%8D/20131203010011.html

 

 

2.専門用語を並べたてる

二つ目は専門用語が大好きな人。”なんちゃら大学なんとか教授”などの専門家の講演を聞きに行くとやたらその業界でしか使わない専門用語を並べたてる人がいる。昔、小学生の指導法の講習を受けた時、講義者が「キカンジュンシ」「キカンジュンシ」と連呼していたが聞いている私はチンプンカンプン。「キカンジュンシ」とは以下

「“机間巡視”とは学校教育の現場において、授業中に教師が生徒の机の間を巡回することを指す専門用語の一つ。その主な目的としては、個々の生徒の理解度を把握したり、手助けが必要な生徒に適切な指示を出したりするなどがある。“机間巡回”ともいう」

そう、ウィキペディアにも書いてあるように”机間巡視”とは専門用語なのだ!

勇気を奮って「キカンジュンシって何ですか?」と質問したら「そんなことも知らないの?」という顔をされた。「知らないから研修受けてんでしょ!研修なのだから“机の間を回って生徒たちを見る”と言えば言いのに!せめて”机間巡回”と言って!意地悪!」と思った。

 

 

3.講演者、先生なのに我が子の例を頻繁に出す

三つめは前に立って講義しているのに自分の子どもの例をやたら出す人。特に良い例で出された時は「それは先生の子どもだから出来て当たり前でしょ!」と聞いている人は感じてしまう。悪い例でも聴衆は少し興ざめすることがある。自分とは立場が違う凄い人と思っていたのに”近所のおばちゃん”に見えてきてしまうからだ。又、男女の話ではないがのろけているというか自慢話のようにも聞こえてくる。

良い例にしろ悪い例にしろ出すのは我が子の子育ての体験は卑近な例として使いやすいのはよ~くわかる。でも保護者が騒がしいウロウロする我が子のことを不安に思って担任に「うちの子、集中力がなくて心配なんです」と相談した時「うちの子もそうでしたよ、小さいうちは皆そうです」と先生が言ってしまうとママ友に相談したのと変わらない感じがする。もっと専門家として今後、どう子どもに対応して行ったらよいか話をしてほしい。

さて、私も“問題行動を起こす子どもの対処法講座”という講演をたまにすることがあるが、その時はかなりの頻度で息子の例を出す。大学教授、臨床心理士の“発達障害児とはなんぞや”という内容とは程遠く、障害を診断された時の親の気持ち、幼稚園保育園の先生に言われて励みなったこと、傷ついたこと、辛い療育は意味があるのかないのか、小学校選びの苦悩などがメインなのでこれは計画通りでよしとしている。ブログも自分の公開日記だから息子の話をよくアップしている。

 

 

以上の三点を人に話をする時、少し意識してみるとよいと思う。私は文章を書く時は極力難しい言葉を使わないようにしている。「全く読書しない娘が“文章読むのが苦手な私でも簡単読めた~”と言っていた」と読者から聞いた時は嬉しかった。文章量が少ないのではなく言葉を易しく書いてあるので読みやすい。

例えば“教師”ではなく“先生”と書く、“あまり好きではない”を“嫌い”、“頭があまりよくない”を“出来が悪い”と書いている。でも、あんまりストレートに書きすぎて一作目の本は読後感が非常に良くない文章になってしまったので二冊目以降はそこんとこ神経を使っている。(あ、また指示語を使っていしまった~!)

一作目

読者が読みやすい文章を書く私は「一つ目」の頭のよい人が陥りやすい「あれ・それ・これ」の指示語や専門用語を使っていないので、はっきり言って私は頭が悪い!知能検査をしたが100ちょっとでIQも高くなかった。だから指示語が多い人の話を聞いたり、専門用語をやたら使うわかりにくい講演をする人の前に座っていたら居眠りをしてしまう。だから居眠り防止グッズが手放せない今日この頃なのであ~る。

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カテゴリー:正直なつぶやき

コメント(1)

  1. 大信田昌宏 より:

    私も大学教授や専門家の講演会に行くと
    やたら「あれはこれでこの・・・」といった具合いの指示語や「コモンセンス」という横文字がよく出てくるので眠くなってしまいますヨ!

    (-_-;)zzz

    なので、そんな事はぜず、講演会をする人たちは発言に関して聴衆のレベルまで下げ、「面白いっ!」と思わせる仕掛けづくりがひつようですネ!!

    (^^ゞ

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