2014.01.31

分裂・閉・双・鬱のネガティブなイメージ

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精神の病の分野では病名の呼び方が時代とともに変わってきている。昔、“精神分裂病”と呼ばれていた疾患は“精神が崩壊する”という悪いイメージを与えるということで“統合失調症”、鬱病と躁病の両者を繰り返す“躁鬱病(そううつびょう)”と呼ばれていたのは“双極性障害”(そうきょくせいしょうがい)”と今は変わってきている。

 

 

 

でも相変わらず“自閉症”は自閉症のまんま。誰がつけたが由来はわからないが実にネガティブな暗いイメージの言葉。この障害名により随分と誤解がまだある。読んで字のごとく“自閉→自分の心を閉ざしている→鬱みたいなもん”と思っている人がいる。

私もママ友から「殻に閉じこもっているの?」「鬱病みたいなもの?」「治療すれば治るんでしょ」「もっと愛情をたっぷりかけて育てたら?」と無神経な言葉をかけられたことが何度もある。「私は若い頃自閉症だった」と平気でいう人もいるし、「あいつは自閉症だから付き合いが悪い」なんていう人もいる。

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でも、私自身、結構、傷ついているのにも関わらず、呼び方だけ変えても意味がないと思っている。また「“自閉症”なんて実にうまくネーミングしたもんだ」と感心したりしている。。自閉の特徴として“外界とのコミュニケーションが上手く取れない”ことがある。人との関わりに関心がなく自分の世界に浸っている自閉症の人もいれば、人と関わりを持ちたがる自閉症の人もいる。人と関わりたい自閉症の人は一見『人間大好き』のように見えるが、それは相手の気持ちに共感するとか寄り添うものではなく、自分の意志だけで一方通行の関わり方をする。だから自分ペース、まさに自閉なのだ。

 

 

だから統合失調症のように、呼び方を変えてほしいと運動を起こしている人もいるが私はそこにエネルギーを費やす気持ちはない。

 “父兄会”は父と兄だから男女差別、だから“保護者会”。“看護婦”“保母さん”ではなく男性もいるので“看護士”“保育士”言葉は時代に合わせてどんどん変わってきている。でも、変わらないものもある。昔、黒板は黒だった。だから“黒板”という名前になった。緑の黒板に変わってきているからと言って“緑板(りょくばん)”と呼ぶ人はいない。「皆さん~リョクバンを見ましょう」なんて言ったら笑われる。ホワイトボードしかないのに「黒板をみましょう」と生徒に使っても大きなどよめきは特にない。

 

 

私にとって自閉症という呼び方はこの黒板に相当しているカテゴリー。緑なのに黒板と呼んで誰も「黒くないのに変だ」とは思わないように、自閉症と言っても世界中の誰もが「心を閉ざしている人ではないのに変な名称」と思わず正しい理解をしている、そんな時代になることが先ではないか。実際、一昔前より確実に世間からは認知されている。

「障害者・障害児」の「害」が悪いイメージなので「障がい者・障がい児」という動きも最近あるが「障がい児」としても「害」をイメージすることには変わりがないから漢字を単にひらがなにするだけでは意味がないのではないだろうか・・・

 

 

 

ついでに言いたいのだが、だいたい、健常児クラス(または普通学級)、知的障害児クラスと平気で学校で使っているのだから自閉症だけ取り上げるのは誠にバランスが悪い。私なんかむしろ『健康』の『健』が使われないことの方がなんだか「頭の中が健康でない子ども」「普通ではない子ども」と言われているようで抵抗がある。しかも、息子さえも頻繁に耳にしているせいか自分でも「健常児クラスに遊びに行った」「普通学級のお友達が歩いていた」と使っていたりする。

 

 

 

本人はどう思っているか追及したくて息子に「○○(息子の名前)は普通じゃないの?健常じゃないの?」と聞いたら「ぼく障害者、僕、自閉症」と抑揚のない一本調子のいつもの言い方で返ってくる。まあ、質問に対して無言ではなく切り返しが出来るということは「自閉症児として少しは成長したな」と変なところで感動する私・・・・

 

 

 

だた、これはグッとな言葉に変わったなと思ったことがある。それは2007年4月に“養護学校”が“特別支援学校”、特殊学級が“特別支援学級”という呼び名に変わったこと。盲学校、聾学校という呼び名もなくなった。

 

 

 

息子が小学校1年生の時はまだ名称は変わっていなかったので通学バスに“○○養護学校”と印字されていた。ところが、小学校2生になった4月に通学バスに『○○特別支援学校』と印字が変わった。これを見て「うちの子どもは特別に支援されている、ラッキーな子どもだ」と感動しとっても誇らしく思った。世田谷区にグレーゾーンの発達障害の子どもを支援する課として『子ども部 要支援児童課』という課があるが、これもとってもいい名前だと思う。

 

 

だから呼び方にあまり神経を尖らせなくてもよいと私は思っているのですが、皆さん、いかがでしょうか?

 

カテゴリー:正直なつぶやき

コメント(2)

  1. 大信田昌宏 より:

    そうですネェ!
    「自閉症」という言葉は確かにネガティブですヨ!!

    時代と共に変えるべきであると考えマス!

  2. Noise(騒音) より:

    時代とともに変えるべきじゃない、自分を変えるべきなんだよ。障害者のレッテル?なんだそれ、そう勝手に考えてるから差別されるんだよ、俺達は。
    俺は耳が聞こえない、聴覚障害者だ。学校だって聾学校の名前だけど、恥に思っていない。障害者という名前が俺を証明してくれるものだ。
    態度によってこいつ馬鹿にしてんなって先輩たちも言っています

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