2014.06.10
命の選択
今、たまたま見ていたNHK
「命の選択 出生前診断」
13トリソミー・18トリソミー・21トリソミー(ダウン症)の子どもを生みたくなくて検査を受けた妊婦の話・・・・
(13トリソミー)
13番染色体が3本。女児に多い(男児は流産する場合が多いため)。13番染色体が過剰であるために引き起こされる重度の先天性障害。口唇裂、口蓋裂、無眼球、小眼球など多くの奇形および重度の知的障害があり、生後一ヶ月以内に半数]が、1年以内に90%が死亡。
(18トリソミー)
女児に多い(男児は流産する場合が多いため)。18番染色体が過剰であるために引き起こされる重度の先天性障害、口唇裂、口蓋裂、握ったままの手、耳介低位付着など多くの奇形および重度の知的障害があり、また先天性心疾患がほぼ必発。きわめて重篤な場合も少なくない。生後1年以内に90%が死亡する。
(21トリソミー)
21番染色体が3本、ダウン症のこと
命の選択、13と21の違い・・・ダウン症の人達が価値ある人生を楽しく生きている姿を見ていると、中絶することはあってはならないと思う。しかし、21トリソミー(ダウン症)以外の特に重篤な染色体異常の場合、命の選択の是非は問われるところ。言及する勇気は私にはない・・・・
さて、テレビに出てきた母親。染色体異常はなかったが生後1年経って自閉症と診断される。「一体、自分は何をやっているんだろう」と深く悩む・・生きている自閉症の子どもを見て「こんな子いらなかった」と呟く・・・
私も全く同じ状況だった。
私も高齢出産。39歳直前で出産・・・・
トリプルマカー検査で「胎児が染色体異常の可能性大」と医師に言われ、19週目に羊水検査を受けた。子宮に長い注射針に似た針を刺して羊水を吸引する。そこに浮かんでいる胎児の細胞を培養し染色体異常を調べる検査。
「どんな子どもだって欲しい」と思うのなら、そもそもこの検査は受けない。中絶するのを前提に受ける検査だ。
カトリック信者である私がこの検査を受けたことを非難した人がいた。
身内に健常者しかいない人が「障害児と心中」というニュースを見て「子どもには罪はないのに酷い親だ!」と意見するのと同じ。軽々しく意見する人を見ると吐き気を催す。本当にその地獄の苦しみを知らない人の無責任な発言・・・
さて、結果は異常なし。でも、その2年後、自閉症とわかる。息子の激しい自傷行為とパニックで疲労困憊だった時期はダウン症の子どもを見て「ダウン症の方がまだましだった」と正直、思ってしまった。
さて、出生前診断でわかる障害は星の数ほどある障害のうちのほんの一部。今は昔より多くの異常がわかるようになったというが、私が妊娠した13年前は「13トリソミー・18トリソミー・21トリソミー・二分脊椎の4種の障害しかわかない」と承諾書に書いてあった。
(二分脊椎・・・先天的脊髄の骨の一部が形成されない障害)
ということはその他の染色体異常・遺伝子異常は判明しないということ。このことは同時に「これ以外の障害だったら受け入れるということですね。産むということですね」と念押しされているということ・・・
星の数ほど先天性異常はある。又、奇形もある。今は3D画像で胎児を見ることが可能になったが小さな突起のような指が1本多く付いている多指症、その余分な指がたまたま取った角度の画像で隠れていたら生まれるまでわからないだろう。
又、出生後、高熱、病気、事故などで障害を持つこともある。出産時のトラブルで脳性麻痺児になってしまうこともある。たとえ健常児を持っても統合失調症(=旧 精神分裂病)に罹患したり、非行に走ったり、母殺し、父殺しなどの犯罪者になることもある。
今は受精卵の段階で男児になる受精卵、女児になる受精卵を選べる。更に金髪の青い目の子どもが欲しいと思ったら、いくつか採卵して受精卵になった物の中から、まるでスーパーで傷が付いていない林檎を探すように選んで妊娠することも可能になった。海外では不妊のための体外受精がいつしか子どもを選ぶ医療になってきている。
これらの親の愛は「こういう子は受け入れない。こういう子だったら受け入れる」という“条件付きの愛”だと思う。「期待通りに育てば愛してやろう」の姿勢・・・だから子どもは「親の期待に沿っていい子にしてなければ愛されなくなってしまう」という恐怖を抱いている。子どもは間違いなく不幸になる。
インナーマザー・アダルトチルドレンの著者の斎藤学先生は「我が子に過剰な期待をかけることは、その期待で子どもの人生を奪ってしまう暴力」だと言い切っている。精神的虐待だ。子どもにとっては“毒親”“毒になる親”“不幸にする親”・・・・
子どもが期待通りにならなかったからと見捨てる親はまずいない。そして「あなたのためを思って・・・・」「何でいつもそうなの」「どうしてお母さんを困らせるの」と優しい虐待が始まる。
そして親が墓の中に入っても、その人の思考回路の中にインナーマザーとして侵入し脳を支配する。「自分は価値のない人間」「どうせ私なんか」の自己否定、自分が絶対に好きになれない・・・こうして母の呪縛に一生苦しむ。
でも、たとえ”コソ泥“になったとしても子どもを受け入れるのが親ではないだろうか?「お前は今のお前のまんまでいい。あるがままでいい」それが見返りを求めない真実の愛のような気がする。
再放送は6月12日(木)NHK教育 1時05分~ 30分間
是非、録画してみてください。
www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2014-06/05.html
出生前診断については以前のブログに3話に渡って書きましたので興味ある方は読んでください。↓
1本多いのは不幸か
出生前診断の是非
最高の映画「生まれる」
カテゴリー:正直なつぶやき
同感ですナ!
親が子供に期待をすればするほどストレスが溜まり、
心身ともに崩れてしまうのは確実っ!!
そんなに期待をするより、子供が何をしたいのかを
見守り、時にはアドバイスするのが1番ですネ!
母性と父性…。父親の存在はどうなんだろう。