2020.02.14

毛玉をとったら、逮捕される?

シェア自由です。

 

昨年の話。特別支援学校で保護者と警察との交流会があった。

 

 

そこで、ある母親が

 

「うちの子は毛玉にこだわりがあり、電車内で女性のセーターの毛玉を見ると取ってしまうが、痴漢にされ逮捕される可能性はあるのでしょうか」と質問した。

警察は「あくまでも女性が嫌な思いをしたら、障害児であっても逮捕される可能性はある。

 

 

犯意があったかどうかが焦点となるが、障害児だから絶対に大丈夫ということはない」と答えた。

 

 

ううん。毛玉しか目に入らない子に「それを取ってはいけない」ことをどう教えていくか。

 

 

止めたくても止められない衝動をどう抑えさせるか。

 

 

過去ブログ

【警察に通報される子】wp.me/p73B8w-3La

 

 

■誤認逮捕

発達障害の子が逮捕されたとき、誘導尋問にかかりやすい。

 

 

年齢相応の“心の理論”が育っていないので、相手(刑事)が自分をコントロール(誘導尋問)していることがわからないからだ。

【心の理論の発達検査】

 


C 松永夕露

 

これは息子の検査結果

(心の理論について書いた私の記事)

ure.pia.co.jp/articles/-/280028

 

 

刑事「君がやったんだね?」

本人「君がやったんだね」

 

のように完全なオウム返しをすれば、「あれ、おかしな日本語だな、もしかしてこの人は自閉症かな」と知識がある刑事はわかるかもしれない。

 

 

また、大人になってもこの状態だったら、おそらく療育手帳を幼児期から持っているだろう。だから、障害者であることが証明される。

 

 

が、しかし!

 

 

軽度で手帳を持っておらず、刑事の言葉の後半部分、更に「ね」を省略して「やったんだ」とオウム返ししてしまったら!

 

 

刑事「君がやったんだね?」

本人「やったんだ

 

 

もしかして、誤認逮捕されるかもしれない。

 

 

■冤罪事件

こんな事件があった。

www.kyoto-np.co.jp/articles/-/152607?fbclid=IwAR0SewxZyzePHgQE9fT-GcQPz_CPzs3VWxPxJlFvbRyQ-6-7pgGQ2euiTNc

 

刑事に恋し、誘導尋問にひっかかり懲役12年の判決が確定し、17年8月まで服役した女性

 

【上記サイトから】

「私は殺していません」。16年におよぶ殺人の汚名をそそぐため、大津地裁で3日、西山美香さん(40)は再審に臨んだ。

 

 

言葉を振り絞って弁護人の質問に答え、虚偽の自白に至った経過や、刑事からの差し入れなど、県警の不当な捜査を証言していった。はっきりと「冤罪(えんざい)」を証明するように。

 

 

「(担当の)男性刑事ともっと長くいられるから、うれしい」。被告人質問で、西山さんは16年前の逮捕時の気持ちを述べた。「逮捕の意味も分からなかった」

 

 

幼い頃から、成績優秀な2人の兄と比べられ、劣等感があった。逮捕前から身の上話を聞いてくれ、「君も賢いよ」と言った刑事を好きになった。留置場から取調室へ出してくれる「白馬の王子様」だと思った。

 

 

その気持ちに便乗するような捜査を、西山さんは被告人質問で明らかにしていった。取り調べで、男性刑事と二人きりになることがあった。

 

 

「男女は取調室で2人になってはいけないはず」と弁護士から問われると、「取調室のドアが開けられ、外に女性刑事が座っていました」。

 

 

女性刑事の目を盗み、男性刑事の指に触れた。「拒まれませんでした」

 

 

刑事は、逮捕直後から、禁止のはずの被疑者への差し入れもした、という。ケーキにハンバーガー、ドーナツ。

 

 

 

好物のオレンジジュースは「毎日だった」と西山さんは話した。「刑事と練習した通りにチューブを外す再現をした」「『裁判で否認しても本当の気持ちではない』という検察宛ての手紙を書かされた」とも語った。

 

 

証言からは、調書が西山さんの知らないところで作られた疑いも出てきた。確定判決は、呼吸器外れを知らせるアラームの消音機能が切れる60秒を頭の中で数え、発覚を防いだとした。

 

 

この日の法廷で、軽度の知的障害がある西山さんは、両手の指で30を数え、頭では数えられないことを示した。

 

 

なぜこんな調書ができたのか分からない」と訴えた。

 

 

30を数えた両手の指には、この日のために施したネイルアート。弁護団から教えられた「自由と正義」の象徴のヒマワリが描かれていた。

(サイトより)

 

 

■罪を犯した知的・発達障害者への弁護活動を通して思うこと

こんな記事もあった。課題がたくさんある。

www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n357/n357004.html?fbclid=IwAR01cNTkLK-2BxSCtNl05m79g9iEaIyOetfdK0vRPAArpedmJ_beFxJM0RQ

 

 

【抜粋】

接見の方法として、最初は本人の話を辛抱強く聞くこと、できるだけオープンクエッションで誘導尋問を避けて「あなたは何をしましたか/どうしてですか/どういうきっかけからですか/それからどうしましたか」と繰り返し、

 

 

相手が答えられない場合には、その表情をチェックしながらゆっくりと“やりとり”をすること、それは「はい」「うん」「そうです」と答えさせるだけの誘導的接見はしないということです。

 

 

特別な接見のやり方ではありませんが、ていねいに慎重なやりとりをする中で“気づき”が生まれてきます。

 

 

障害の程度が中度とか重度の人であればしゃべることに“難”がありますが、軽度となればしゃべることは上手にできますので、しゃべる内容に着目することが求められます。

…中略…

 

私が携わる知的・発達障害者の刑事弁護では、親や家族がいてその家族から依頼を受ける私選弁護の事件と、親がいても貧しさから私選で依頼する資力がなかったり、そもそも支援してくれるような親や身近な人がおらず本来国選弁護になるべき事件を、重要な事件だと判断して自分から弁護人になって介入する事件とがあります。

 

 

前者の多くは身元引受人となる親・家族がいて、被害者対策でも示談交渉する資金の捻出ができるし、また学校や福祉・医療から支援される関係があったりする事件です。

 

 

よほど重い前科があったり重大事件でない限り、本人に改善更正が期待できる環境のおかげで「悪い結果」は回避できます。

 

 

ところが後者の事件は、弁護のはじめから身元引受人どころか本人を支援するべき福祉などの関係者の「影」すらなく、努力して本人の生育史を調べ親・家族をみつけても、精神的支援すら期待することも難しく、本人の育った環境も虐待的生育環境であったりして、貧困と排除(孤立)の中で「社会性の障害」を重度化させてきた人たちも多く、警察や裁判所にも何回もお世話になっていたり前科がいくつもあったりします。

 

 

後者の事件の人たちは、その生育環境の貧しさと「社会性の障害」からみて福祉が必要とされてきた人たちであるわけですが、福祉を受けてきた経験をもっていません。

 

 

今の福祉制度(療育手帳・障害者年金・さまざまな支援等)は、知的障害をもつ本人が自分の力で申請し取得できるような実態になく、「親」がわが子のために動くことによって取得できるものになっています。

 

 

それも「力」のある親である程いい福祉に出会い選べる関係になっています。

 

 

言うなれば、恵まれた環境の元にある人たちには福祉が与えられ、たとえ事件となっても支援があって有利に弁護されるのに対し、貧しい環境の下で育ち福祉に手が届かず底辺にいる人たちは、福祉だけでなく刑事弁護からも見捨てられているというのが現状といえます。

 

 

知的・発達障害者の事件といっても、その両者はそもそものところで社会的に違った事件の構造をもっています。

 

 

後者の人たちが罪を犯した背景には、少なからず福祉など何らの支援もなかったことが大きく影響しているととらえています。貧困は、同じ知的・発達障害者であっても痛ましい程の差別をつくりだしているといえます。

 

 

■診察で

息子は月一回精神科に通っている。

 

 

診察のとき、医師から「何かこれから楽しみにしていることはありませんか?」聞かれると

 

 

辛うじて、医師の質問の末尾の「か」は言わないが…

 

「楽しみにしていることはありません」と、後半の部分をオウムのように抑揚のない声で答える。

 

 

「楽しみにしていることはありますか?」と聞かれたら「楽しみにしていることはあります」と多分、答えたであろう。

 

 

でも「それは何ですか」と聞かれたら「わかりません」か、無言を通すだろう。

 

 

質問内容に関心がない。

 

 

でも、帰りにくまモンの銀座線に乗れて喜んでいた。切ない

今日のブログとは関係はないですが、私の書いた記事です

 

【家族の間で意見が対立したら?】

コラム書きました。

h-navi.jp/column/article/35027589

 

また金曜日、寄ってくださいね!

amzn.asia/d/dj4Upcw

amzn.asia/d/e1v855q

コメント欄は過去に荒らされ、嫌な思いをしましたので閉鎖しています。

こちら ↓

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カテゴリー:正直なつぶやき

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