2022.03.25
賽銭箱に木の棒を突っ込んで
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※金曜日 更新
※ブログなのであくまでも私個人の意見です
気分を害する方は→批判しないで、読まないようにしてください
私は知的障害者移動支援の仕事をしている。
先日、41歳の自閉症の人の移動支援中、小さな神社があった。
普段 お賽銭など入れない人なのに、賽銭箱に近づいた。
財布から 五円玉を出して、賽銭箱に一枚入れていた。
私は「何か願いがあるのかな?」と思ったがそうでなく
財布の中に 一円玉 五円玉などのバラ銭が入っているのが嫌だったのだ。
それらを入れておきたくないという、こだわりだがある人だった。
ところが…
五円玉を入れたあと、その人は賽銭箱に戻った。
手に木の枝を持っている。
賽銭箱の隙間から木の枝を入れ、ゴソゴソと掻き回している。
私は「やっぱり五円玉が惜しかったのかな」とその光景を見ていた。
ずっとゴソゴソしているので、私はそばに近寄って その賽銭箱の中をのぞいた。
そこには、その人が入れた五円玉はなく
不届き者が突っ込んだティッシュが引っかかっていた。
五円玉を入れたときに目にしたテッシュが気になって気になって仕方がなく、それを取り出そうと木の枝を探して、賽銭箱に戻ったのだった。
はたから見たら賽銭泥棒に 見えるだろうな?
でも、その人なりの理由があった
さて、木の枝は短すぎてテッシュに届かなかった
私は届きそうな長い木の枝を一緒になって探したが、見つからなかった
「届かないから諦めようよ」と伝えたら、パニックを起こすことなく賽銭箱から離れてくれた。
自閉症の人にとってはハードルが高いことだったが、「何としてでも、テッシュを取り出したかった」という自分のこだわりを コントロールしていた
前にブログに書いたが、毛玉を取ることにこだわっている自閉症の人が、
電車で見知らぬ隣の女性の毛玉を取ってしまい、問題になったことがあった。
本人にとっては正当な行動であっても 世間はそれを許さない。
賽銭箱に木の枝をツッコミ、引っ掻き回すのも同様だ。
そこ教えていくのも 移動支援のガイドヘルパーの仕事だと思った。
おわり
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カテゴリー:正直なつぶやき