2022.04.09
学校選びは親の意向が最優先される
更新日(金曜日)ではないですが、冊子に記事書いたので載せときます
小学校に入学するための健康診断、就学時健診が毎年11月頃に行われます。
そこで専門家からさまざまなアドバイスをされても、障害のある子の学校選びは、行政の意見よりも親の意向が優先されます。
それは子どもにとって良い面もありますが、悪い影響もあるように思います。以前、このような事例がありました。
小学校入学時、排泄の自立ができずオムツをつけていた男子児童のAさん。
行政からは特別支援学校を薦められましたが、親の意向で地元の公立小学校の特別支援学級に入学しました。
ところが、その支援学級は比較的軽い知的障害の子で占められていて、授業内容は算数、国語などAさんにとってはチンプンカンプンな科目ばかり。ただ、離席したり教室から出て行ったりするなどの激しい動きは
なかったので、他の子に迷惑がかかる状況ではありませんでした。
けれども、授業中に大便をしてしまうのでオムツ交換をし、机の上のプリントを食べてしまうので吐かせるなど、支援員がつきっきりの世話をしていました。
このクラスには行動に課題があったり、勉強を個別に見てもらったりしていた発達障害児も多くいましたが、支援員はAさんにマンツーマンでつきっきりの状態になっていました。
それを知った他の保護者から、「私たちの子どものための支援員でもあるのに」との声もあがったのです。
支援学級ではオムツ交換はしてくれますが、トイレトレーニングはしてくれませんでした。
「もし、Aさんが特別支援学校に入学していたら小学校卒業時にはオムツはとれていたのにね」と支援学級の保護者の間では話されていました。
一方、同じようにトイレの自立ができていない男子児童のBさんは特別支援学校に入学しました。
個別支援計画で排泄の自立が明記され、夏にはオムツが取れて自分でトイレに行けるようになっていました。
障害のある子とない子が共に学ぶインクルーシブ教育の考えは本当に素晴らしいものです。
しかし、これが拡大解釈されて、教育現場ですべてを混ぜこぜにするのは、果たして子どもたちのためになるのでしょうか。
私は一人ひとりに適した教育環境で学ばせることが将来の幸せや成長につながるのではないかと感じます。
就学時健診で行政から、特別支援学校や支援学級を薦められても、今は親の希望が最優先されるので、通常学級に重い知的障害の子がいたり、支援学級に排泄の自立ができていない子がいたりするケースがあります。
担任はこの環境で、保護者から「うちの子に合った指導をしてほしい」と要求され、指導が困難になり疲弊している現状が少なくありません。
わが子については親が専門家ですが、そのわが子にとって最適な教育環境を選ぶために、学校現場に詳しい行政や専門家の意
見にしっかりと耳を傾けてほしいと思います。
【特別支援学校の先生をしている知人からのコメントです】
「インクルーシブ」という言葉の一人歩き状態を、奇しくも小中学校の先生方が主催するインクルーシブセミナーにより気付かされ、それ以来、「こんなうさんくさいもの」と思うようになりました
しかしインクルーシブは本来そういうものではなかったはずです。
「誰のための?」を強く思います。
子どもを、「大人の自己満足の対象」にしてはならないと思うのです。
そして「わかるよ」「そうだよね」という言葉も、寄り添っているようで突き放しているし、当事者はますます遠のいていくように思います。
現場を深く知ろうともせず、うわずみだけのインクルーシブを語る人々のなんと多いこと。それを、本当の“専門家”と言えるのでしょうか。
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